シンガポール共和国

平成27年11月22日
写真提供:内閣広報室
写真提供:内閣広報室

 11月21日(土曜日)19時45分頃(現地時間)から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,ASEAN関連首脳会議出席のため訪問中のマレーシア・クアラルンプールにおいて,リー・シェンロン・シンガポール首相と会談を行ったところ,概要は以下のとおり。

1 冒頭

 安倍総理から,本年9月のシンガポールにおける総選挙での勝利及びリー首相の再任につき,改めて祝意を伝達した。また,2016年は両国の外交関係樹立50周年という節目の年であり,両国関係の深まりを確認し,一層の交流強化に繋げる重要な機会である旨述べた。リー首相からは,本年3月のリー・クァンユー・シンガポール元首相国葬への安倍総理の参列,本年8月のシンガポール独立50周年記念行事への麻生副総理兼財務大臣の出席に感謝の意が表明されるとともに,両首脳は両国間関係を一層強化していくことで一致した。

2 二国間関係

(1)安倍総理から,積極的平和主義の具体的実践を一層進めるための平和安全法制が先般成立(PDF)別ウィンドウで開くし,PKOや後方支援等を通じ,国際社会の平和と安定への貢献が一層可能となる旨説明した。リー首相は,先般,日中韓サミットが成功裏に開催されたことを歓迎するとともに,政治,経済,その他の戦略的課題に対する日本の貢献が北東アジア地域のみならず,ASEAN地域を含めた他の地域にも拡大していくことを期待する旨述べた。

(2)また,安倍総理から両国協力の象徴案件として,高速鉄道計画での新幹線導入を改めて強く期待している旨述べるとともに,「質の高いインフラパートナーシップ」の下,協力を一層深化させたい旨述べた。

3 地域・国際社会の課題

(1)南シナ海

 安倍総理は,南シナ海における大規模な埋立て,拠点構築等,現状を変更し緊張を高める一方的行動は,国際社会共通の懸念事項である旨述べた。また,フィリピンによる仲裁手続の活用は,法の支配に立脚し,海洋をめぐる紛争を平和的に解決する手段として支持する旨述べた。
 リー首相は,公海における航行の自由,上空飛行の自由の重要性を指摘するとともに,南シナ海を含めた海洋を巡る紛争は国際法に十分に準拠した形で解決を目指すことが重要である旨述べた。その上で,日本が南シナ海等の議論で建設的な役割を果たすことを期待する旨述べた。

(2)国連改革

 リー首相は,日本の国連安保理常任理事国入りへの支持を表明するとともに,両者は,安保理改革の必要性を確認した。


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