フィリピン共和国

令和6年7月8日
エンリケ・マナロ・フィリピン外務大臣と会談を行う上川外務大臣 日・フィリピン外相会談

 7月8日、午後0時(正午)(日本時間同日午後1時)から約2時間、フィリピン・マニラを訪問中の上川陽子外務大臣は、エンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Enrique A. Manalo, Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)との間で、日・フィリピン外相会談及びワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭
    (1)上川大臣から、日本の外務大臣として2年ぶりにフィリピンを訪問できることを喜ばしく思う旨述べつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて緊密に連携していきたい旨述べました。その上で、上川大臣から、今般署名した部隊間協力円滑化協定(RAA)を基盤に両国間の安全保障・防衛協力を一層強化するとともに、2026年(令和8年)の日・フィリピン国交正常化70周年を見据え、経済、人的交流、地域・国際社会の諸課題における協力といった幅広い分野で両国の関係を更に深化させたい旨述べました。
    (2)これに対し、マナロ大臣は、上川大臣のフィリピン訪問を歓迎するとともに、幅広い分野において二国間関係を更に発展させていきたい旨述べました。
  2. 安全保障協力等
    (1)上川大臣から、政府安全保障能力強化支援(OSA)による沿岸監視レーダーの供与、海上保安機関間の連携強化、政府開発援助(ODA)による巡視船の追加供与等の取組を通じ、安全保障協力や海洋協力を一層深化したい旨述べました。これに対し、マナロ大臣は、日本の支援に対する謝意が示されるとともに、こうした分野での協力を更に強化したい旨述べました。
    (2)両外相は、半導体分野における人材協力や重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化、オープンRAN、サイバーセキュリティ等における連携強化を確認しました。
    (3)上川大臣から、日本の長年にわたるミンダナオ和平支援に触れつつ、来年予定される自治政府樹立を念頭に、支援を継続していく旨述べました。これに対し、マナロ大臣からは、日本のこれまでの支援に対する謝意が示されまし た。
  3. 経済協力及び人的・文化交流
    (1)上川大臣から、両国間の貿易・投資関係を更に強化したい旨述べるとともに、今次訪問の機会に視察した首都圏鉄道(MRT)三号線等の日本のインフラ整備支援に触れつつ、引き続きフィリピンの上位中所得国入りを支援していく旨述べました。これに対し、マナロ大臣は、改めてこれまでの日本の支援に対する謝意が示されるとともに、両国間の貿易・投資関係や経済分野での協力を更に促進していきたい旨述べました。
    (2)人的・文化交流について、両外相は、両国の外交旅券所持者に対する査証免除措置の導入決定を歓迎するとともに、観光分野を含む二国間の人的交流を引き続き促進していくことを確認しました。
  4. 日米比協力
    両外相は、4月の日米比首脳会合のフォローアップが着実に進展していることを歓迎するとともに、日米比3か国間で、連結性強化に向けたインフラ整備、経済的威圧への対応を含む経済安全保障、サイバーセキュリティ、安全保障・防衛分野等における連携強化を進めていくことを確認しました。
  5. 地域及び国際的な課題への対応
    両外相は、地域・国際社会の諸課題についても意見交換を行い、東シナ海・南シナ海情勢、ウクライナ情勢、ASEAN、ミャンマー情勢、イスラエル・パレスチナ情勢、WPS等について引き続き連携していくことを確認しました。

フィリピン共和国へ戻る