外務報道官談話
フィリピン・ミンダナオ州立大学マラウィ校における爆発事件について(外務報道官談話)
令和5年12月4日
- 12月3日朝、フィリピン共和国南部ミンダナオ島マラウィ市のミンダナオ州立大学マラウィ校における爆発事件により死傷者が発生したことに関し、我が国として、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対して哀悼の意を表します。また、負傷者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
- 無辜の市民に対する攻撃は、いかなる理由によっても許されるものではなく、我が国は、あらゆる形態のテロリズムを断固として非難します。
- 我が国は、ミンダナオ地域の安定は、インド太平洋の平和と繁栄につながっているとの考えの下、同地域における和平プロセスを引き続き支援していきます。
(参考1)概要
12月3日、フィリピン南部ミンダナオ島マラウィ市のミンダナオ州立大学マラウィ校において、体育館でカトリックのミサが執り行われている際に爆発が発生し、現地報道によれば、11名が死亡、40名以上が負傷した。
なお、日本時間4日朝時点で在留邦人に被害等が出たとの情報はない。
(参考2)ミンダナオ和平について
- 背景
(ア)フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との和平交渉により、アキノ政権下の2012年10月に「枠組み合意(Framework Agreement)」が、2014年3月に最終的な「包括和平合意(Comprehensive Agreement)」が署名された。
(イ)包括和平合意では、移行プロセスとして、(a)バンサモロ基本法の制定、(b)住民投票の実施、(c)暫定自治政府の設置、(d)バンサモロ議会選挙を経て、新たな自治政府が創設されることとなっており、同合意に基づいて、2025年にバンサモロ自治政府が樹立予定。なお、自治政府樹立に先立ち、2023年7月にマルコス大統領はミンダナオ地域に対する国家非常事態宣言を解除した。 - 我が国の貢献
(ア)我が国は、(a)独立退役・武装解除機関(IDB: Independent Decommissioning Body)への要員派遣、(b)国際監視団(International Monitoring Team)の社会経済開発部門への開発専門家派遣、(c)紛争影響地域に対する人間の安全保障・草の根無償資金協力など経済協力プロジェクトの集中的実施(J-BIRD: Japan-Bangsamoro Initiatives for Reconstruction and Development)、(d)和平プロセスのオブザーバーとして助言を行う国際コンタクト・グループ(International Contact Group)への参加等を通じ、和平プロセスの進展及びミンダナオ地域の復興・開発を積極的に支援してきている。
(イ)2023年2月のマルコス大統領訪日時に発表した「日・フィリピン共同声明」において、我が国は、和平プロセスの実質的な進展に応じて、生計向上のための職業訓練及び産業開発等の協力の促進に向けた日本の支援を強化していくことへのコミットを表明した。また、2023年11月の岸田総理大臣のフィリピン訪問時には、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域の社会経済開発に向け、防災・災害復旧用機材の供与を発表した。