フィリピン共和国

平成26年11月12日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
11月12日(水曜日)16時45分頃(現地時間)から約30分間、安倍総理大臣は、ASEAN関連首脳会議出席のために訪問中のミャンマーにおいて、アキノ・フィリピン共和国大統領と会談を行ったところ、概要は以下のとおり。

1.冒頭

安倍総理から、フィリピンは基本的価値と戦略的利益を共有する戦略的パートナーであり、関係を一層強化し、共通の課題に取り組みたいと述べた。これに対し、アキノ大統領からは我が国における御嶽山の噴火災害や台風被害に対するお見舞いとともに、昨年のフィリピンにおける台風被害に際しての我が国からの支援に対して謝意が述べられ、さらに両首脳は、ともに自然災害を頻繁に経験する両国間で防災・災害対応において協力を深めていくことで一致した。

2.二国間関係

(1)政治・安全保障関係
(ア) 安倍総理から、アキノ大統領から繰り返し力強い支持を得ている「積極的平和主義」の取組を引き続き推進しているとして、本年7月に安保法制整備の基本方針を閣議決定したことなどにつき説明した。そして、両首脳は、二国間の安全保障・防衛協力の一層の強化につき一致した。
(イ) ミンダナオ和平について、安倍総理から、2016年の自治政府設立に向けた移行プロセスの着実な進展を期待するとともに、日本は引き続き支援を惜しまない旨述べた。アキノ大統領からは、改めて日本の支援(注:日本は2006年以降で150億円以上の支援を実施)に対する謝意の表明があった。

(2)経済関係・人的交流
(ア) 安倍総理から、日本企業の投資を一層活発化させるため、フィリピンの投資環境の改善を重視しているとして、一層の環境整備につき働きかけを行いました。アキノ大統領からは、フィリピン側で行っている投資環境改善努力につき説明があった。
(イ) 安倍総理から、成長の基盤整備に支援を惜しまないとして、運輸・交通インフラ整備案件(注1)及び洪水対策案件(注2)に対して総額約200億円の円借款供与を決定した旨を伝達した。アキノ大統領からは、これらの支援につき、深甚なる謝意が表明されるとともに、都市交通網を始めとするインフラ整備への引き続きの支援に高い期待が示された。
(ウ) 安倍総理から、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の下で、本年9月からフィリピンへの更なる査証緩和措置を開始した旨説明した。アキノ大統領からは、日本の措置に対し歓迎の意が示されました。

3.地域情勢・国際場裡での協力

(1)両首脳は、現下の地域情勢についても意見交換を行い、南シナ海を含む海洋における「法の支配」の重要性について、改めて確認した。
(2) 安倍総理より、日中首脳会談の実施を含め、日中関係改善の流れにつき説明した。
(3)アキノ大統領より、フィリピンは日本の安保理常任理事国入りを支持していると述べた。
 
(注1)メトロマニラ立体交差建設計画(第6フェーズ)(供与限度額:79.29億円)
マニラ首都圏の交通渋滞が著しい交差点において、立体交差を建設することにより、交通渋滞の緩和を図り、もってマニラ首都圏の輸送効率の向上及び都市環境改善に寄与するもの。具体的にはマニラ首都圏の幹線4地点の立体交差道路の建設。
 
(注2)洪水リスク管理計画(カガヤン・デ・オロ川)(供与限度額:115.76億円)
ミンダナオ島カガヤン・デ・オロ川の河川改修を実施することにより、河川流域の洪水被害の軽減を図り、もって同地域の安定的な経済の発展に寄与するもの。具体的には、堤防及び洪水擁壁の建設、橋梁の改良、避難道路のかさ上げ、住民啓発等。

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