インドネシア共和国
日・インドネシア首脳会談
平成27年11月22日


11月22日午前10時10分頃(現地時間)から約30分間、安倍晋三内閣総理大臣は、ASEAN関連首脳会議出席のために訪問中のマレーシア・クアラルンプールにおいて、ジョコ・ウィドド・インドネシア共和国大統領との間で会談を行ったところ、概要は以下のとおり。
1 冒頭
冒頭ジョコ大統領から、会談は4月にお会いして以来であり、また先週はトルコでも安倍総理にお会いした、インドネシアは日本との協力を強化していく強いコミットメントを有していると述べた。またジョコ大統領は、昨日からの二階俊博日・インドネシア国会議員連盟会長率いる要人、ビジネスマン等約1,000人の訪問団のジャカルタ訪問について感謝する旨述べた。これに対し、安倍総理から、本年4月以来の会談であり、お会いできて喜ばしい、両国は長い友好関係を有する戦略的パートナーであり、インドネシアの発展は地域の繁栄のためにも重要であり、交通、港湾、電力等の質の高いインフラ整備に協力する考えであると述べた。また、安倍総理から、二階議連会長ら約1,000人の訪問団の受け入れについて、謝意を伝達した。
2 二国間関係
(1)政治・安全保障
安倍総理は、日本では、平和安全法制が成立した旨説明し、積極的平和主義を推進し、地域と国際社会の平和と安定に一層貢献していく方針は不変である旨述べた。また、外務・防衛閣僚協議を来月開催し、安保分野の協力を強化したい旨述べた。これに対し、ジョコ大統領は、安保法制については、地域の平和と安定に貢献する非常に良いものであると確信している旨述べ、外務・防衛閣僚協議での協力を強化したい旨述べた。(2)経済
ジョコ大統領から、首都圏東部の新港湾の早期着工と日本の協力に対する期待が示された。安倍総理から、高速鉄道では、日本は実現可能な最良の提案を行ったと考えており、率直に申し上げて結果には失望しているが、それでも質の高いインフラ整備に協力する考えであると述べ、首都圏の新港湾は、海上物流コストの効率化、投資拡大の観点で重要、民間投資を呼び込む観点から、両国で協力していきたい旨述べた。また、安倍総理から、インドネシアへの投資は好調であるが、懸案は早急に解決したい旨述べた。更に安倍総理は、高速鉄道等の大型インフラ協力では、信頼関係や手続の透明性、実現可能性、官民の適切なリスク分担が不可欠、今後協力を進めていくためにも、認識を共有したい旨述べた。3 共通の課題
安倍総理から、南シナ海について、現状を変更し緊張を高める一方的な行動は国際社会の共通の懸念事項であり、インドネシアと一層緊密に協力していきたく、ASEANの中核であるインドネシアの積極的関与を期待する旨述べた。これに対してジョコ大統領は、インドネシアは地域の平和と安定を求めており海洋法を尊重している旨述べた。