アジア

平成26年3月1日
3月1日(土曜日)午後3時45分頃(現地時間)から約50分間,岸田文雄外務大臣は,パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)第2回閣僚会議出席のために訪問中のインドネシア・ジャカルタにおいて,マルティ・ナタレガワ・インドネシア共和国外務大臣との間で外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1. 冒頭・CEAPAD閣僚会合

 冒頭,マルティ大臣から歓迎の辞が述べられたのに対し,岸田大臣から,今回のCEAPAD閣僚会合開催に関して,主催国としてのインドネシアの役割に感謝し,マルティ大臣の指導力を評価する旨述べると共に,インドネシアがグローバルな課題に積極的に取り組んでいる現れとして高く評価する旨を伝えました。また,マルティ大臣と緊密に意思疎通を続け,両国の「戦略的パートナーシップ」をより高いレベルへと引き上げたい旨述べました。マルティ大臣からは,これまでのCEAPADプロセスで具体的な成果が現れているとして,日本の取組に対する高い評価が示されました。

2. 二国間関係

(1) 岸田大臣から,日本は「積極的平和主義」の立場から,地域の平和と安定により積極的に寄与していく旨表明しました。また,両外相は,昨年12月に首脳間で開催に一致した外務・防衛担当閣僚が一堂に会する協議の早期実現に向け協力していくことで一致しました。
(2) また,両外相は,経済分野で一層の協力を図ることで一致し,岸田大臣からは,インドネシア政府から円借款供与につき要請のあったジャカルタ首都圏投資促進特別地域(MPA)関連のインフラ整備事業2件,総額約650億円について,円借款を供与する方針である旨表明しました。また岸田大臣から,懸案事項については早期の解決を図りたいとして,インドネシアの新鉱業法について,日本経済に深刻な影響が出るとして懸念を表明するとともに,対応につき協力を要請しました。

3. 地域・国際情勢

東シナ海や南シナ海をめぐる問題につき,岸田大臣から,航行・飛行の自由と法の支配を貫徹するための努力が不可欠との我が国の基本的立場を述べるとともに,地域をリードするインドネシアと更に協力を強化したい旨述べました。更に,中国・ASEAN間の南シナ海の行動規範(COC)協議の早期妥結に向けたASEANの取組を支持する旨述べました。マルティ大臣からは,COC協議の早期妥結の必要性等インドネシアの基本的な立場につき説明がありました。

4. その他 

マルティ大臣から,北朝鮮による拉致問題について,インドネシアとして日本に引き続き協力していきたい旨,また,インドネシアにおける旧日本兵の遺骨収集問題についても,引き続き協力していきたい旨述べられました。これに対し,岸田大臣より,これらの問題についてのインドネシアの協力に謝意を表すると共に,引き続きの協力を要請しました。岸田大臣からは,4月に広島で開催され,自らが議長を務める軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)外相会合にマルティ大臣を招待し,マルティ外相から快諾を得ました。また岸田大臣から,5月にパリで開催され,我が国が議長を務めるOECD閣僚理事会へのインドネシアの招待を伝達しました。

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