ベトナム社会主義共和国

令和5年12月16日
会談を前に、チン首相と握手する岸田総理大臣 日・ベトナム首脳会談 (写真提供:内閣広報室)
日・ベトナム首脳会談が行われている様子 日・ベトナム首脳会談 (写真提供:内閣広報室)

 12月16日、午後4時10分から約20分間、岸田文雄内閣総理大臣は、日ASEAN特別首脳会議に参加するために訪日中のファム・ミン・チン首相(H.E. Mr. Pham Minh Chinh, Prime Minister of the Socialist Republic of Viet Nam)と首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。これに先立ち、同日、ODA案件3件(注)の文書の交換が行われました。
 会談には、日本側から齋藤健経済産業大臣、村井英樹内閣官房副長官他が、また、ベトナム側からは、ダオ・ゴック・ズン労働・傷病兵・社会問題大臣、グエン・チー・ズン計画投資大臣、ダオ・ホン・ラン保健大臣、グエン・ヴァン・タン交通運輸大臣、ダン・クオック・カイン資源・環境大臣他が同席しました。また、会談後、両首脳は両国の経済分野における協力の重要な取組をまとめたファクトシートを発出しました。

1 冒頭

 岸田総理大臣から、包括的戦略的パートナーシップの下、両国の関係を更に発展させていきたい、世界が歴史の転換点にある中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保すべく、ベトナムを含むASEANとの協力強化を重視しており、今回の特別首脳会議が、これまで築いてきた日本とASEANの信頼を次世代につなぎ、関係を更に強化していく機会となることを願う旨述べました。
 チン首相から、今次訪日における歓迎に感謝の意を表明するとともに、両国関係が包括的戦略的パートナーシップの下、幅広い分野で発展していることは喜ばしく、この50周年を機に、両国関係を一層強化していきたい旨述べました。

2 二国間関係

  1. 経済分野に関し、岸田総理大臣から、今般、ホーチミン市都市鉄道1号線を含む3件(注)のODA案件の署名ができたことは喜ばしい、今回の首脳会談において、両国が協力を進めて行くべき主要な経済プロジェクトをファクトシートにおいて特定できたことは有意義であり、両国でスピード感をもって、これらの案件を進めていきたい旨述べました。これに対し、チン首相から、両国間で緊密に連携して様々な経済プロジェクトを進めたい、ベトナムにとって日本は最大のODA供与国であり、ベトナムの社会経済発展のためにODAを活用していきたい旨述べました。さらに両首脳は、両国間の経済関係の強化のための様々な方策について意見交換を行いました。
  2. 岸田総理大臣から、カーボンニュートラルの実現に向け、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合を契機に、ベトナムと共に脱炭素に向けた取組を加速させていきたい旨述べました。チン首相から、ベトナムはこの分野においても、日本を含む国際社会と連携していきたい旨述べました。
  3. 安全保障分野に関し、両首脳は防衛交流を更に拡大する他、防衛装備品移転に向けて協力を推進することについて一致しました。
  4. 人的交流について、岸田総理大臣から、ベトナム人材は、我が国の社会経済発展等に必要不可欠な存在となっている、今般、特定技能の試験をベトナムで実施することになり喜ばしい旨言及し、チン首相から、在留ベトナム人が日本において更に活躍できるよう、日本政府の更なる協力について期待が述べられました。

3 地域・国際情勢

 岸田総理大臣及びチン首相は、地域・国際情勢についても率直な意見を交わしました。両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢、南シナ海情勢、ミャンマー情勢、ロシアによるウクライナ侵略への対応、イスラエル・パレスチナ情勢など、地域・国際情勢への対応において一層緊密に連携していくことで一致しました。

(注)円借款「ホーチミン市都市鉄道建設計画(ベンタイン-スオイティエン間(1号線))(第四期)」、国立がん病院における医療機材整備計画(無償)、人材育成奨学計画(無償)

(参考)別添

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