ベトナム社会主義共和国

平成29年11月10日
クアン・ベトナム国家主席と握手を交わす安倍総理大臣<br>(写真提供:内閣広報室)
日・ベトナム首脳会談<br>(写真提供:内閣広報室)
 10日午前9時50分(現地時間)から約50分間,APEC首脳会議のためベトナム・ダナンを訪問中の安倍総理大臣は,チャン・ダイ・クアン・ベトナム社会主義共和国国家主席(H.E. Mr. Tran Dai Quang, President of the Socialist Republic of Vietnam)と日・ベトナム首脳会談を実施したところ,概要は以下のとおり。

1 冒頭

(1)クアン国家主席から以下を述べました。

(ア)安倍総理の2回目のベトナム訪問を歓迎,先般の選挙での大勝利をお祝い申し上げる,ベトナムの台風被害への迅速な支援を感謝。

(イ)両国のパートナーシップが包括的に発展しており嬉しい,天皇皇后両陛下や安倍総理のベトナム訪問等,ハイレベルの交流が行われて嬉しい。

(2)これに対して安倍総理から以下を述べました。。

(ア)ベトナムを襲った台風被害にお見舞い申し上げる。すでに緊急支援の実施を決定し,浄水器105台が供与された,一日も早い復興をお祈りする。選挙の結果に対する祝意に感謝。

(イ)本年2度目のベトナム訪問,クアン国家主席との三度目の会談を嬉しく思う旨述べた後,TPPの大筋合意を歓迎し,ベトナムの尽力に感謝する。

(ウ)10日午後に行われるTPP首脳会合では,クアン国家主席と協力しながら,11か国での大筋合意を確認し,自由で公正な通商ルール形成への積極的な姿勢を発信したい,早期発効に向けて緊密に連携したい。両国担当大臣の貢献に感謝する。

(3) また、クアン国家主席から,この後のTPP首脳会合で11か国での大筋合意を確認し,大きな成果を発表することができることを期待したい,両国担当大臣による前向きな成果を歓迎したい旨の発言がありました。APECにおける日本の支援に感謝すると共に,会議の成功に向け引き続き協力いただきたい,旨の発言がありました。

(4) これに対し,安倍総理大臣から,ベトナムのAPEC議長としての建設的な努力に感謝し,本年APECの優先課題の1つでもある包摂的かつ持続可能な経済の議論においては,生産性革命や人づくり革命など,我が国の取組を発信する考えである,RCEPについても質の高い協定の実現に向け,引き続き緊密に連携していきたい旨発言しました。

2 二国間関係及び北朝鮮や南シナ海情勢を含む地域・国際情勢

(1) 安倍総理大臣から以下を述べました。

(ア) 今般の民間協力5件への署名を歓迎,産業競争力強化に向けた「戦略協力パッケージ」を着実に実施したい,日系企業の抱える投資恩典等の課題の解決への支援を期待する。

(イ) 下水道や投資環境改善に関し,約300億円の円借款を供与する方針であり,引き続き質の高いインフラ整備,エネルギー協力等に日本企業の知見を活用願いたい。

(ウ) 日越大学を通じた人材育成や,ベトナムの党幹部育成を含む行政改革支援を着実に進めていきたい。アジア健康構想の下,医療協力や高度医療人材育成にも協力する。

(エ) 来年の外交関係樹立45周年に向け,杉良太郎日越・越日特別大使による日越音楽祭を準備中であり,日本語教師の育成を通じて,国民間の文化交流を強化したい。

(オ) 「自由で開かれたインド太平洋戦略」の下,安全保障分野での協力を更に進めていきたい。

(2) これに対して,クアン国家主席から以下を述べました。

(ア) 日本からのODA支援に感謝,またベトナムの人材育成や,行政機関への援助に対しても支援をいただき感謝する。

(イ) 安全保障分野でも両国での関係を強化していきたい,来年の外交関係樹立45周年については,両国の関係を更に強化していきたい。

(3) 北朝鮮問題については,安倍総理から以下を述べました。

(ア) 核・ミサイル開発を断念するよう圧力を最大限まで高め,非核化を前提とした対話のテーブルにつかざるを得ない状況に押し込むべき。制裁の抜け穴を塞ぐべくベトナムの更なる取組に期待する。

(イ) 拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり,早期解決に向け,理解と協力を期待する。

(4)これに対して,クアン国家主席から,ベトナムとしても国連の安保理決議を遵守している,拉致問題については,日本国民に同情する,人権,人道的問題であり,日本と協力できる事は 行っていきたい旨の発言がありました。

3 会談の後,両首脳は民間協力案件5件を含む6件の協力文書交換式に立ち会いました。

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