アジア

平成28年7月25日
日メコン外相会議(集合写真)
日メコン外相会議(大臣)
日メコン外相会議(大臣)

25日午後6時40分(現地時間)から約40分間,ラオス・ビエンチャンにおいて,第9回日メコン外相会議が開催され,我が国から岸田外務大臣が出席し,ラオスとの共同議長を務めたところ,概要は以下のとおりです(メコン地域諸国から,ラオス人民民主共和国のサルムサイ・コンマシット外務大臣(共同議長),カンボジア王国のプラック・ソコン上級大臣兼外務国際協力大臣,ミャンマー連邦共和国のアウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外務大臣,タイ王国のドーン・ポラマットウィナイ外務大臣,ベトナム社会主義共和国のファム・ビン・ミン副首相兼外務大臣が出席。)。会議終了後,共同議長声明仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)Open a New Window)が発出され,「日メコン連結性イニシアティブ」日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)Open a New Window)の立ち上げが発表されました。

1.冒頭

  • (1)共同議長のサルムサイ外務大臣より,第9回日メコン外相会議の共同議長を岸田大臣と務めることができて光栄である旨述べるとともに,日メコン協力が進捗していることを歓迎しつつ,5月にタイにて岸田大臣から提案のあった「日メコン連結性イニシアティブ」を含む日本による取組に対し謝意を述べた。
  • (2)岸田外務大臣より,今次会議の共同議長であるラオスの多大な尽力に感謝,昨年は,「新東京戦略2015」を採択し,3年間で7500億円の対メコン支援を表明,日メコン行動計画を着実に実施しているところであり,メコン地域の質の高い成長の実現に向け共に取り組んでいきたい,5月にバンコクにて提案した「日メコン連結性イニシアティブ」をメコン諸国とともに正式に立ち上げたい旨述べた。

2.日メコン協力

  • (1)岸田大臣より,日メコン協力の進捗について,以下のとおり述べた。
  • ア 昨年の外相会議以降の日メコン協力の進捗について,この一年で,ハード面での日本の取組が特に加速している。これらは,「質の高いインフラ投資」の理念に基づき実施している。G7伊勢志摩サミットでは,「質の高いインフラ投資」に関するG7伊勢志摩原則を発出し,今後5年間で,約2000億ドルの資金供給を表明。今後もASEAN域内の物理的連結性の強化に貢献していく。
  • イ ソフト面でも着実な成果をあげている。昨年表明した,3年間で4万人を育成する「産業人材育成協力イニシアティブ」では,既にASEAN各国で1万5千人の育成を実現。9月には,日越大学修士課程が開講予定,ミャンマーでは,法の支配センターに追加支援を表明した。人と人との連結性も一層強化されてきている。本年の,ラオス及びカンボジアとの航空協定の発効により,人的交流が一層拡大することに期待。
  • ウ グリーン・メコンの実現に積極的に貢献したい。6月に日本とタイが第4回グリーン・メコン・フォーラムを共催し,セクターを越えた知見の共有と意見交換を実施できたことは有意義であった。
  • エ メコン地域への日系企業の進出は急増しており,日本のメコンへの貢献は官民挙げて加速している。「新東京戦略2015」は,順調に滑り出している。
  • オ 5月の政策スピーチで,自分は,「生きた連結性」を実現するために,「日メコン連結性イニシアティブ」の立ち上げを表明した。このイニシアティブの具体化のために,シニアレベル・ワーキング・グループを立ち上げ,メコン諸国と具体的な議論を行っていきたい。
  • (2)これに対し,メコン諸国より,概要以下の発言があった。
  • ア 日メコン関係は,インフラ,人材開発,投資促進等,様々な分野で進捗していることを高く評価。日メコン協力は加速化している。行動計画の下での各種プロジェクトに,メコン各国共に積極的に取り組んでいる。日本政府からの継続的な支援に感謝。また,日本からの投資,日系企業の活動も拡大している。「質の高いインフラ投資」を進めることは,地域のグリーン成長にも資するもの。
  • イ 「日メコン連結性イニシアティブ」の立ち上げを心から歓迎。これは,メコンの自助努力を後押しするものであり,持続可能な開発のための2030アジェンダを補完するもの。シニア・レベル・ワーキング・グループの創設は,行動計画のフォローアップを進めていく上で重要なメカニズム。今,我々の進んでいる方向は正しい。
  • ウ 気候変動への対応は重要。洪水・干ばつ等の自然災害,水資源管理に積極的に取り組んでいく必要がある。グリーン・メコン・フォーラムは重要。経済成長と環境保護の両立は,いかなるプロジェクトにおいても大切な課題。
  • エ 人と人の連結性は重要。観光客の拡大は,査証緩和の影響も大きい。9月のプノンペン・成田間の直行便就航を歓迎。

3.地域・国際情勢

  • この他,南シナ海問題や,北朝鮮問題等の地域・国際情勢についても議論が行われた。

アジアへ戻る