アジア

「日・メコン協力のための新東京戦略2015」(MJC2015)(仮訳)

平成27年7月4日

2015年7月4日、日本及びメコン地域諸国(カンボジア王国、ラオス人民民主共和国、ミャンマー連邦共和国、タイ王国、ベトナム社会主義共和国)の首脳は、東京にて第7回日本・メコン地域諸国首脳会議のために一堂に会し、今後3年間の日・メコン協力のための新たな戦略として、「日・メコン協力のための新東京戦略2015」(MJC2015)を採択した。

I.総論
1.メコン地域の重要性
1.1 メコン地域の重要性
 日本及びメコン地域諸国(以下、「双方」とする。)は、人口約2億4000万人、GDP合計約6640億米ドルを誇るメコン地域がダイナミックな経済発展を遂げており、また、中国、インド、他のASEAN地域諸国など世界全体の人口の半分に当たる約33億人を抱えるアジアの巨大な新興成長市場の結節点に位置し、地政学的にも経済的にも非常に重要な位置を占めていることを改めて確認した。また、メコン地域が、世界の「成長センター」となる潜在性を有しているとの見方を共有した。
1.2 メコン地域が直面する課題
 双方は、メコン地域が直面する課題の存在を認識し、域内の格差の更なる是正、安定かつ持続的なマクロ経済環境の維持、包括的かつ持続的な成長の確保を通じて、メコン地域が地域全体として更なる発展を遂げ、「質の高い成長」を実現するため、メコン諸国が日本と協力してこれらの課題を克服する必要があるとの認識を共有した。
 第一に、双方は、メコン地域のより一層の発展と繁栄のために、地域の安定が不可欠であることを認識した。この観点から、メコン地域における民主主義及び法の支配の定着、人権の尊重並びに平和構築の実現の重要性を再確認した。
 第二に、双方は、メコン地域の「質の高い成長」と更なる経済発展を達成するため、域内の膨大なインフラ需要への対応、域内外との連結性強化、投資環境の整備、特色を反映した産業構造の高度化、及びそれを支える産業人材育成、持続可能で環境に配慮した開発の実現が必要であるとの見方を共有した。

2.日メコン協力の意義
メコン地域諸国は、メコン地域の発展に向けて、これまで日本が果たしてきた役割を高く評価するとともに、今後とも、日メコン協力を通じて、日本がより一層建設的な役割を果たすことで、メコン地域諸国が上記の課題を克服することが可能となることへの期待を表明した。
2.1 これまでの取組
 メコン地域諸国は、日本の戦後70年の平和国家としての歩みを高く評価するとともに、日本が国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、メコン地域の安定と発展の強化により一層積極的に貢献していくことへの期待を表明した。また、メコン地域諸国は、日本が活発な要人往来等を通じて日メコン関係の強化に取り組んでいることを称賛した。
 この文脈において、メコン地域諸国は、日本が、2015年6月に東京で開催した「アジアの平和構築と国民和解、民主化に関するハイレベルセミナー」等を通じ、平和構築、国民和解、民主化等の分野において、この地域で建設的な役割を果たしてきていることを高く評価した。
 双方は、「東京戦略2012」を履行するための取組が、十分に成功を収めていることを確認した。特に、双方は、過去3年間、日本が既に「東京戦略2012」にて表明した合計6000億円のODAを上回る規模で実施したことを確認した。メコン地域諸国は、上記戦略を日本が誠実かつ着実に実施していることを称賛し、謝意を表明した。
 双方は、日メコン経済産業協力イニシアティブ(MJ-CI)の下での第4回日メコン経済大臣会合で採択された「メコン開発ロードマップ」に基づき、メコン地域のハードインフラとともに貿易円滑化が着実に進展していることを歓迎した。
2.2 今後の取組
 双方は、2015年末までのASEAN共同体の実現を見据え、メコン地域諸国の発展が域内格差是正の観点からも益々重要になることを認識した。メコン地域諸国は、日本がメコン地域の更なる発展、平和、及び繁栄を促進するため、より一層積極的な役割を続けていくことへの期待を表明した。

 上記の課題を踏まえ、日本とメコン地域諸国は、メコン地域における地域の安定と「質の高い成長」の実現のため、今後3年間(2016年~2018年)にわたり、次の四本柱に基づく日・メコン協力を実施していくことを表明した。
 日本は、この実現のため、ODAに関して、2015年2月に新たに閣議決定された開発協力大綱に則し、メコン地域に対して今後3年間で7500億円規模の支援を行っていくことを表明した。
 双方は、日・メコン協力を推進するために民間部門が今後より一層重要な役割を果たしていくことを改めて認識し、民間投資の拡大と官民連携の強化に向け、更に取り組んでいくことを決定した。

II.日メコン協力の四本柱
1.ハード面での取組:メコン地域における産業基盤インフラの整備とハード面での連結性の強化
 双方は、メコン地域における膨大なインフラ需要に応え、質の高い成長を実現するために、人間中心の投資を重視し、メコン地域において「質の高いインフラ」を推進することが必要不可欠であることを再確認した。双方は、効果的な資金動員の促進、地域の経済開発戦略との整合性の確保、社会及び環境に対する潜在的なインパクトに対する適切な配慮、ライフサイクルコスト、安全性、及び災害に対する強靱性を含むインフラの質を確保することを通じて、質の高いインフラ投資を促進する。この文脈において、メコン地域諸国は、他国、アジア開発銀行(ADB)を含む国際機関、及び他の金融機関と連携して「質も量も」追求する「質の高いインフラ投資」を促進するという、安倍総理大臣が2015年5月に発表した「質の高いインフラパートナーシップ:アジアの未来への投資」を称賛した。双方は、このパートナーシップの実現を通じてメコン地域における「質の高いインフラ投資」を促進するため、双方間の連携をより強化する決意を表明した。
 この観点から、双方は、メコン地域における産業インフラ開発に関与し、また日本のASEAN連結性に対する既存の支援を補完する形で、域内外及び周辺地域との「ハード面での連結性」を強化していく。双方は、民間部門のインフラ開発への積極的な参加が重要であることを繰り返し確認し合い、投資環境の改善、民間資本移動の触媒としての公的資金の活用、さらに官民連携(PPP)の促進を含む、メコン地域への民間投資を呼び込むための協力を行う。
 双方は、ダウェー開発プロジェクトの多大な潜在性と地政学的意義を認識し、日本、ミャンマー、タイの3か国が、南部経済回廊を通じたインド洋との地域的連結性の強化により、メコン地域全体の更なる経済発展に貢献するプロジェクトを近年前進させていることを歓迎した。
1.1 産業基盤インフラの整備
 双方は、域内経済のより一層の発展のため、都市開発、エネルギー、裾野産業、輸送、上下水道、農業・食産業、電気通信、情報通信、衛星測位等を用いた地理空間情報、等の様々な分野、及び双方の利益となる分野における産業基盤インフラの整備に取り組んでいく。
1.2 ハード連結性の強化(陸・海・空の連結性)
 双方は、「陸」(東西経済回廊及び南部経済回廊の整備、並びに鉄道協力、道路整備を通じたインド亜大陸との連結性等)、「海」(産業立地型港湾の開発と高性能化、海のASEAN諸国との連結性やダウェー開発を通じたインド亜大陸との連結性、内水交通等)、「空」(空港建設支援、双方の間の定期便・直行便の就航等)のそれぞれにおいて、メコン域内及びメコン地域内外とのハード連結性強化に取り組んでいく。

2.ソフト面での取組:産業人材育成とソフト連結性の強化
 双方は、メコン地域において「質の高い成長」を実現するためには、ハード面のみならずソフト面での取組が重要であることを再確認した。特に、日本及びメコン地域諸国は、産業構造の高度化及び人材育成及び「ソフト」連結性の強化に取り組んでいく。
2.1 産業構造の高度化及び人材育成
 双方は、日メコン官民連携フォーラム及び産業政府対話の開催、「プラスワン投資戦略」の支援、メコン地域における日本企業の生産ネットワークの拡大支援等を通じ、メコン地域における産業構造の高度化に取り組んでいく。双方は、メコン地域諸国の研究開発とイノベーションの基盤を加速させ、そうした投資を歓迎し、それによって地域の発展へ貢献する。
 双方は、周辺国と一緒になったメコン地域の発展に向け、「メコン産業開発ビジョン」及び経済特別区(SEZ)を通じ、メコン各国のそれぞれ独自の強みと競争力、及び“特化と連携”のコンセプトの下での相互補完性を反映させ、産業構造の高度化し域内バリューチェーンを強化する。また、双方は、周辺国とのバリューチェーンの強化によってだけではなく、メコン地域がその立地を活かして、インドや中国等の周辺国との交易を拡大させ、アジアや世界全体の生産ネットワークの中核として組み込まれることにより、メコン地域が地域全体として発展することの重要性を共有した。
この目的を実現するため、日ASEAN経済産業協力委員会・東西回廊開発ワーキングループ(AMEICC WEC-WG)の協力の下で策定される同ビジョンでは、産業構造の高度化、中小企業を含む裾野産業の成長、企業の創立や成長を担う人材育成の強化、高付加価値産業の育成を達成するための政策の方向性を示す。
双方は、「質の高い成長」及び法の支配の強化を実現するためには、特に法曹や産業の専門家、熟練労働者の人材の育成・確保が不可欠であるとの認識を共有した。
 また、双方は、金融インフラ、教育、保健・医療、農業・食産業、女性のエンパワーメントといった他の分野における人材育成の重要性についても再確認し、この地域の民間企業及び関連するNGOと連携しつつ取り組んでいくとの決意を新たに表明した。特に保健・医療分野において、双方は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を実現することが必須であるとの共通の認識に基づき、感染症対策、母子保健、保健システム強化を含む、保健・医療の質を改善する努力を行う、との決意を再確認した。さらに、双方は、メコン地域の各国に共通する癌を含む非感染症疾患などの新たな課題へ対処するための人材育成につき、更に協力を強化することを確認した。
2.2 ソフト連結性の強化(制度的連結性、経済連結性、人と人との連結性)
 双方は、メコン地域内外とのソフト連結性を強化するため、法制度及び知的財産制度の整備、税関及び郵便制度の近代化、港における手続きの合理化等への支援を通じた「制度的連結性」の強化、及び東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期合意、投資環境整備等を通じた「経済連結性」の強化に取り組んでいく。特に、メコン地域諸国は、経済法やビジネス法を含む実定法の整備や法曹の養成等、地域における法律や司法制度の発展において日本が担ってきた役割を高く評価し、メコン地域において引き続き法の支配を強化していくことを表明した。双方は、貿易及び投資を更に促進するため、メコン地域における税関の近代化を含む貿易円滑化に関する更なる取組が必要であることを再確認し、アジアカーゴハイウェイ(ACH)の実現に向け、メコン地域の能力構築に更に取り組んでいくとの認識を共有した。
 また、双方は、人的交流、スポーツ・文化交流、自治体間交流、観光交流、放送番組協力、「ASEAN工学系高等教育ネットワーク」等を通じた大学間連携、「日越大学プロジェクト」の最近の進捗等を通じて「人と人との連結性」の強化にも取り組んでいく。この文脈において、メコン地域諸国は、日本において、メコン地域諸国との友好議連が活発に活動していることに謝意を表すとともに、2015年4月に日本・メコン地域諸国友好議員連盟が発足したことを歓迎した。
メコン地域諸国は、映像、美術、舞台芸術、文化遺産、市民交流、知的交流、スポーツ交流、日本語学習支援の一環としての「日本語パートナーズ」の派遣等の分野で、日本が様々な事業を実施してきた双方向の芸術文化交流と日本語学習支援を促進する「文化のWAプロジェクト(知り合うアジア)」への期待を表明した。メコン地域諸国は、双方向の学生交流における協力の重要性を共有し、「JENESYS2015」等の事業を通じ、人的交流を継続していく。これに関連し、メコン地域諸国は、今回の首脳会議の記念事業として、また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた「Sport for Tomorrow」イニシアティブの好例として、国際交流基金アジアセンターと日本サッカー協会の共催による「日メコンU-15サッカー交流プログラム」を高く評価した。

3.グリーン・メコンの実現に向けた持続可能な開発
 メコン地域諸国は、日本が、「グリーン・メコンに向けた10年」イニシアティブに則して、グリーン・メコン・フォーラムの定期的な開催等を通じ、メコン地域の持続可能な発展と人間の安全保障に貢献してきていることを高く評価した。双方は、グリーン・メコンの実現に向けて、次の分野で具体的な取組を実施していく。
3.1 防災
 メコン地域諸国は、第3回国連防災世界会議を成功に導いた日本の貢献に謝意を表した。双方は、同会議にて採択された「仙台宣言」及び「仙台防災枠組2015-2030」に基づき、メコン地域においても持続可能な開発を阻害する災害リスクの予防・削減に取り組んでいく。
 また、メコン地域諸国は、津波への共通理解を深め、津波対策の重要性について関心を高めることを目的として、11月5日を「世界津波の日」と定める日本の提案を支持した。
3.2 気候変動
 双方は、気候変動問題が、メコン地域の人々の生活に対する深刻な脅威となり得る状況にあることを踏まえ、この脅威に取り組む決意を新たにした。また、この文脈で、日本及びメコン地域諸国は、主要な温室効果ガス吸収源である森林の保全を進めるとともに、二国間クレジット制度(JCM)を推進していく。さらに、双方は、メコン地域において今後増大する電力需要に照らし、また石炭が同地域において主要なエネルギー源の一つであることを考慮し、実効的な気候変動対策手段の一つとして高効率石炭火力発電を推進することの重要性を確認した。また、双方は、エネルギーの節約及び再生可能エネルギーや代替可能エネルギーの重要性を認識した。
3.3 水資源管理
 双方は、地域の生活に不可欠であるメコン河の水及び関連資源の開発と持続可能な管理をすることの死活的な重要性を共有した。この点について、双方は、メコン河委員会(MRC)への支援と、水資源管理をより強化する決意を再確認した。
3.4 鯨類を含む水産資源の保全と持続可能な利用
双方は、科学的根拠に基づく、鯨類を含む水産資源の持続可能な利用についての重要性を確認した。

4.多様なプレーヤーとの連携
 メコン地域諸国は、数多くの関係国・国際機関・関連NGO・民間部門がメコン地域に対する高い関心を有し、対メコン支援に積極的に取り組んでいることを歓迎した。双方は、メコン地域における地域の安定と「質の高い成長」に向けた効率的かつ効果的な支援等の実施のために、異なる協力枠組みの間の連携が重要であることを改めて確認した。
4.1 メコン地域諸国自身の取組との連携
 双方は、カンボジア・ラオス・ベトナムの開発の三角地帯(CLV DTA)、カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム(CLMV)間の協力、及びエーヤワディー・チャオプラヤー・メコン経済協力戦略(ACMECS)等のメコン地域諸国自身による地域の発展に向けた取組を評価し、これらの枠組みと日メコン協力との連携の重要性を改めて確認した。この文脈で、双方は、地雷・不発弾対策(UXO)、障害者支援、災害時の救急医療等の分野で、日本がこれまでメコン地域に行ってきた協力を踏まえて、南南協力や三角協力が進展していることを歓迎した。
4.2 国際機関・関連NGO・民間部門との連携
 双方は、国際機関・開発金融機関やメコン地域で活動する関連NGO、国際連合や東南アジア地域プログラムを主導する経済協力開発機構(OECD)、大メコン圏地域(GMS)経済協力プログラムを調整するアジア開発銀行(ADB)、世界銀行、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)を含む、他の開発パートナーと日メコン協力との間の連携をより一層強化することにより、メコン地域の開発をより効果的に進めることを決定した。
 特に、双方は、メコン地域において、貧困対策とインフラ開発の分野で長期にわたる経験と知識を蓄積してきたADBとの連携の重要性を強調した。この観点から、双方は、融資枠を拡大するとのADBのイニシアティブを支持し、ADBによる将来的な増資の検討を歓迎した。メコン地域諸国は、日本が、インフラ投資のために官民連携パートナーシップを促進する新たなJICAとADBとの連携枠組みの検討を含む、ADBと連携した「質の高いインフラパートナーシップ」を表明したことを称賛し、支持した。
 現在メコン地域へ流入する民間資金が公的資金を大きく上回っていることを受け、双方は、民間部門が地域の経済成長の力強い原動力となっていることを再確認した。投資環境整備とハード及びソフト面の基本的なインフラ整備のため、メコン地域諸国の取組によって促進される民間投資は、日本のODAと共にメコン地域における経済成長と貧困対策に対してより大々的かつ効果的に貢献することとなる。双方は、中小企業を含む民間部門の技術と専門的知見を利用しながら、メコン地域に民間資本を呼び込み、「質の高い成長」を達成するため、自身での取組及び協力の取組を続けていく。
4.3 関係国との連携
(ア)日米連携
 メコン地域諸国は、メコン地域において、防災、災害救助、女性起業家の支援を含む女性のエンパワーメント等の様々な分野において、日メコン協力と「メコン河下流域イニシアティブ」(LMI)及び「メコン河下流域フレンズ」(FLM)の連携において実施されている、具体的な協力のプロジェクトを高く評価した。
(イ)日中メコン政策対話
メコン地域諸国は、メコン地域における主要なプレーヤーである日本と中国が、2014年12月に北京において3年ぶりに開催された第5回日中メコン政策対話を通じ意思疎通を維持していることを歓迎するとともに、同政策対話がメコン地域の平和と繁栄に貢献することへの期待を表明した。
(ウ)その他の枠組み
 メコン諸国は、上記の日米連携や日中メコン政策対話のほか、韓メコン協力、メコン-ガンガ協力等のメコン地域に関する協力の枠組みと、日メコン協力との間の連携をより一層強化していくことを期待し、設立過程にある中国によるメコン瀾江(ランチャン)協力との将来の連携に期待を示した。

III.地域・国際情勢
 メコン地域諸国と日本は、地域及び地域を越えた平和、安定及び繁栄を確保するため、既存の日メコン協力を含め、共通の課題である地域・国際情勢に関する緊密な協力を促進し深化させるという強い決意を再確認した。
 双方は、朝鮮半島の平和と安定という共通の目標に向けた緊密な協議を継続するという決意を再確認した。双方は、北朝鮮による核兵器及び弾道ミサイル開発の継続について深刻な懸念を表明し、更なる挑発を自制すること、及び関連する国連安保理決議を遵守することを求めた。双方は、平和的な方法による朝鮮半島の非核化達成のための取組みへの支持及び六者会合プロセスの重要性を改めて表明した。双方は、北朝鮮に対し、2005年の六者会合共同声明等の下での非核化等のコミットメントを真剣に履行する意志を示すための具体的行動をとることを求めた。双方は、関連する国連安保理決議の完全な履行に対するコミットメントを改めて表明した。双方は、拉致問題を含む、国際社会の有する人道上の懸念に対応することの重要性を強調した。
 双方は、大量破壊兵器関連資機材及び小型武器の不法な移転及び取引と闘いつつ、大量破壊兵器及びその運搬手段の軍縮及び不拡散分野における協力を強化する重要性を再確認した。協力を強化するための継続的な取組の一環として、双方は、核兵器不拡散条約(NPT)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、国連安保理決議第1540号(2004年)の枠組みにおける、また、国際原子力機関(IAEA)といった関連機関を通じたものを含む、行動指向的な措置を講じる必要性を強調した。双方は、NPTの3本柱である核軍縮、核不拡散及び原子力の平和的利用の分野において更に協力していく決意を再確認した。双方はまた、効果的な輸出管理の確立は、兵器や関連する品目及び技術の不法な移転の防止に貢献するとの見解を共有した。この関連において、双方は、国内関係法令の策定及び実施における支援を含めた輸出管理に関する技術協力の必要性を強調した。双方は、原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定及びIAEAを含む関連の国際的・地域的枠組みを通じた、原子力の平和的利用を促進することの重要性を再確認した。
 双方は、安保理をより代表性、正統性、実効性が備わったものにし、 21世紀の地政学的現実をより良く反映したものとするため、常任理事国及び非常任理事国双方の議席の拡大、作業方法の改善及び開発途上国の役割の拡大を含む、安保理の早期改革への支持を再確認した。また、双方は、国連創設70周年にあたる本年、具体的な成果を得るために協力を強化するとの見方を共有した。
日本は、改革された安保理において日本が常任理事国となることに対するメコン地域諸国の一貫した支持に深く感謝した。
 双方は、海洋の国際公共財としての重要性を認識した。双方は、地域における海洋安全保障及び海上安全に関する協力を深化することの重要性を再確認した。双方は、2002年の南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)の完全かつ効果的な履行と、南シナ海に関する行動規範(COC)の早期妥結の重要性を再確認した。双方は、国連海洋法条約(UNICLOS)を含む普遍的に認められた国際法の原則にのっとって、航行及び上空飛行の自由、航行の安全、円滑な商業活動や紛争の平和的解決を維持するコミットメントを改めて表明した。双方は、状況を更に複雑にし、信頼及び信用を傷つけ、地域の平和、安全及び安定を損ないうる南シナ海における最近の動向に関し表明された懸念に留意した。

IV.今後の予定
 双方は、2015年8月の第8回日メコン外相会議において「『新東京戦略2015』の実現のための日メコン行動計画」を、同月の日メコン経済大臣会合において「メコン産業開発ビジョン」をそれぞれ策定することを確認した。
 双方は、今後とも日メコン関連会合を定期的に開催していくことを再確認した。具体的には、日メコン首脳会議は、3年に1度日本にて開催され、それ以外の年はASEAN関連首脳会議等国際会議の際に開催される。また、日メコン外相会議及び日メコン経済大臣会合も、それぞれASEAN関連会議等国際会議の際に定期的に開催される。また、事務レベルでのフォローアップを目的として、日メコン高級実務者会合(SOM)も毎年開催される。

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