ラオス人民民主共和国
日・ラオス首脳会談



本12日,午後6時45分から約30分間,安倍晋三内閣総理大臣は,訪日中のトンルン・シースリット・ラオス人民民主共和国首相(H.E.Dr. Thongloun Sisoulith,Prime Minister of the Lao People's Democratic Republic)と総理官邸において会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。会談には西村康稔内閣官房副長官,野上浩太郎内閣官房副長官,薗浦健太郎内閣総理大臣補佐官他が同席しました。また,会談後,両首脳は,協力文書の署名式に立ち会い,共同記者発表を行いました。
- 握手を交わす両首脳
(写真提供:内閣広報室) - 日・ラオス首脳会談
(写真提供:内閣広報室) - 署名・文書交換式に立ち会う両首脳
(写真提供:内閣広報室)
1 冒頭
安倍総理大臣から,トンルン首相とは昨年11月以来の再会,今回で4度目の首脳会談を行うことを嬉しく思う,日・ラオス両国は,二国間のみならず,インド太平洋地域の平和,安定,繁栄を追求する「戦略的パートナー」,地域・国際社会の課題にも,共に取り組んでいきたい旨述べました。
これに対し,トンルン首相から,安倍総理大臣との再会を光栄に思う,多忙な中暖かく歓迎いただき感謝する,安倍総理大臣とともに両国間の関係を一層発展させ,また,ASEANでも良きパートナーとして協力していきたい旨述べました。
2 経済協力
安倍総理大臣から,2016年9月,トンルン首相との間で合意した「日ラオス開発協力共同計画」の着実な具体化を推進していることを挙げ,人材育成では,若手行政官の留学支援のための協力,不発弾除去分野では,ラオスの不発弾除去組織であるUXO Laoに対する支援について言及しました。また財政安定化支援について,両国は本年3月から,マクロ経済及び財政分野の政策共同研究を開始,来週,第4回付加価値税セミナーを開催する等,継続的な協力を続けている,ラオス政府の徴税能力を強化し,安定的な税収に繋げたい旨述べました。
これに対し,トンルン首相から,近年日本企業のラオス進出が増加しており嬉しく思う,また,日本はラオスにとってトップドナーであり,ODA供与について高く評価し感謝する,インフラや人材育成その他多くのプロジェクトに加え,JICA専門家や青年海外協力隊員を派遣いただき,これらはラオスの社会経済開発に大きく貢献している,さらに財政安定化支援のための協力もラオスの発展に不可欠であり感謝する旨発言がありました。トンルン首相から,ビエンチャン・ハノイ高速道路計画について,陸に囲まれたラオスにとり重要な案件であり,日本からの支援をお願いしたい旨の要請があり,安倍総理大臣から,地域の連結性強化に向けて取り組んでいきたい旨応じました。
3 地域・国際場裡における協力
双方は,北朝鮮や南シナ海をはじめとする地域・国際場裡における課題についても率直且つ有意義な意見交換を行いました。安倍総理大臣から,「自由で開かれたインド太平洋戦略」の下での協力につき説明し,トンルン首相から,日本のリーダーシップは重要なものであり,ラオスもASEAN内での議論に積極的に参加していきたい旨の発言がありました。両首脳は,諸懸案の包括的な解決に向けて,北朝鮮から具体的な行動を引き出すため,国際社会が連携していくことが重要との点も含め,意見交換を行い,また,拉致問題の早期解決の重要性を確認しました。
- 共同記者発表
(写真提供:内閣広報室) - 共同記者発表
(写真提供:内閣広報室)