カンボジア王国

令和5年12月18日
会談前に、フン・マネット首相と握手する岸田総理大臣 日・カンボジア首脳会談 (写真提供:内閣広報室)
日・カンボジア首脳会談が行われている様子 日・カンボジア首脳会談 (写真提供:内閣広報室)
日カンボジア友好70周年記念カンボジア貨幣の贈呈を行う岸田総理大臣 カンボジア王国との文書交換式 (写真提供:内閣広報室)

 12月18日、午後1時40分から約30分間、岸田文雄内閣総理大臣は、日ASEAN友好協力50周年特別首脳会議に出席のため訪日中のフン・マネット・カンボジア王国首相(Samdech Moha Borvor Thipadei HUN Manet, Prime Minister of the Kingdom of Cambodia)と首脳会談を行いました。続けて、両首脳は、日カンボジア友好70周年記念カンボジア貨幣の贈呈及び文書交換式への立ち会いを実施したところ、概要は以下のとおりです。
 会談には、日本側から上川陽子外務大臣、松本剛明総務大臣、齋藤健経済産業大臣、森屋宏官房副長官他が、また、カンボジア側からは、スン・チャントール副首相、ソック・チェンダサオピア副首相兼外務大臣、ハン・チュンナロン副首相兼教育青年スポーツ大臣、チア・セレイ国立銀行総裁、チャム・ニモル商業大臣、ケオ・ラタナック鉱工業エネルギー大臣、チア・バンデート郵便電気通信大臣他が同席しました。

1 日・カンボジア首脳会談

(1) 冒頭

 岸田総理大臣から、フン・マネット首相による首相として初の訪問を歓迎するとともに、日ASEAN特別首脳会議及びアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合への出席に謝意を表しました。また、岸田総理大臣から、世界が歴史の転換点にある中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保すべく、カンボジアを含むASEANと協力を強化していきたい。近年、両国間の協力は、ウクライナなど第三国の地雷対策における協力など、幅広い分野に拡大しており、本日、デジタルやエネルギーの分野での協力案件について、両国の閣僚や企業による文書の交換が行われることを歓迎する、両国のさらなる発展に向け、フン・マネット首相と協力していきたい旨述べました。
 これに対し、フン・マネット首相から、岸田総理大臣及び日本側の今次訪問におけるおもてなしへの謝意を表明するとともに、日ASEAN特別首脳会議及びAZEC首脳会合の成功に祝意を表しました。また、フン・マネット首相から、両国の協力関係はさらに広がっている、両国及び両国民の相互利益並びに地域・国際社会の平和と安定のため、岸田総理大臣と協力していきたい旨述べました。

(2) 二国間関係

ア 岸田総理大臣から、安全保障分野において、人的交流や寄港等の部隊間交流を通じて関係を強化したい旨述べました。これに対し、フン・マネット首相から、安全保障分野での協力の進展を歓迎する旨述べ、両首脳は、11月に第1回会合が開催された外務次官級協議に加え、防衛次官級協議を創設し、安全保障分野での協力強化を進めていくことで一致しました。

イ デジタル分野では、両首脳は、本年6月に閣議決定された開発協力大綱で新たに打ち出したオファー型協力として日本からカンボジア側に提案したデジタル分野での協力メニューに合意し、また、エネルギー分野では、両首脳は、AZEC首脳会合での合意を踏まえて、引き続き、協力を強化していくことで一致しました。
 さらに、岸田総理大臣からは、「日ASEAN包括的連結性イニシアティブ」に基づき、連結性強化を推進する旨、保健分野において、地域中核病院での高度医療の提供に寄与すべく、協力していく旨述べました。これに対し、フン・マネット首相から、カンボジアの和平・復興・発展におけるこれまでの日本政府及び国民による支援への謝意を表明し、今後のカンボジアの経済発展のために引き続き日本からの支援、投資に期待したい旨述べました。

ウ 岸田総理大臣から、日本は引き続きカンボジアの民主的発展を重視しており、来年2月には6度目となる与野党の若手政治関係者の招へいを実施する旨述べ、両首脳は協力していくことで一致しました。

(3) 地域・国際情勢

 岸田総理大臣から、北朝鮮が昨晩に続き今朝も弾道ミサイル発射を強行したことは明白な安保理決議違反であるのみならず、地域の平和と安定を脅かすものであり強く非難する旨述べました。両首脳は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能なかつ不可逆的な廃棄(CVID)の実現に向け引き続き協力していくことで一致しました。
 両首脳は、拉致問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢、ミャンマー情勢、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢等の地域・国際社会の諸課題についても連携していくことで一致しました。

2 日カンボジア友好70周年記念貨幣の贈呈及び文書署名式

 岸田総理大臣からフン・マネット首相に対し、造幣局が、カンボジア国立銀行からの受注を受け、日カンボジア友好70周年を記念して製造したカンボジア5,000リエル銀貨幣を贈呈しました。
 続いて、両首脳立ち会いの下、以下の二国間協力関連文書の交換が行われました。

  1. 電子政府の推進に向けた国立データセンター整備計画に係る交換公文
  2. 航海用電子海図作成のための水路測量船建造計画に係る交換公文
  3. 首都圏における上水道施設のデジタル管理システム整備計画に係る交換公文
  4. デジタル経済社会の発展に向けた協力に関する総務省とカンボジア郵便電気通信省との間の共同議事録
  5. 統一QRコード決済分野における協力に関する経済産業省とカンボジア国立銀行との間の協力覚書
  6. 太陽光発電における協力に係るミネベアミツミとカンボジア鉱工業エネルギー省との間の覚書
  7. バイオマス発電における協力に係るイーレックスとカンボジア鉱工業エネルギー省との間の覚書

(参考)別添

 カンボジアに対するデジタル分野におけるオファー型協力メニュー(日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く


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