カンボジア王国
日・カンボジア首脳会談
平成28年7月16日
フン・セン・カンボジア首相と握手を交わす安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)
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日・カンボジア首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
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16日午前10時55分から11時30分まで,モンゴルで開催されているASEM第11回首脳会合に出席中の安倍晋三総理大臣は,カンボジアのフン・セン首相(Samdech Akka Moha Sena Padei Techo Hun Sen, Prime Minister of the Kingdom of Cambodia)と会談したところ,概要は以下の通りです。
1 冒頭発言
安倍総理より,昨年11月の東アジアサミットの際に,マレーシアで会談して以来,再会できて喜ばしい,カンボジアは,ASEAN統合の鍵を握る重要な国であり,今回がフン・セン首相と7回目の会談である旨述べました。また,安倍総理は,昨年のつばさ橋の開通は,統合を支援する日本の象徴的な貢献であり,日本は質の高いインフラ輸出やメコン連結性の強化や産業人材の育成等を通じ,カンボジアへの支援を継続する旨述べました。更に,安倍総理は,9月には初の直行便が就航予定であり,カンボジアへの日本企業の投資や観光客増加により,両国関係を一層発展させたい旨述べました。
これに対し,フン・セン首相より,再会でき喜ばしい,貴総理が述べられた二国間の友好関係にかかるご見解に同意する,今日のカンボジアの発展は日本の援助と切り離すことはできない,安倍総理と自分の二人のイニシアティブで開始した直行便の就航を楽しみにしている,また,安倍総理と共に開始した貿易促進についても,10億ドルに達した,日本がカンボジアの重要なパートナーであり,共に仕事をすることができていることを嬉しく思う旨述べました。
これに対し,フン・セン首相より,再会でき喜ばしい,貴総理が述べられた二国間の友好関係にかかるご見解に同意する,今日のカンボジアの発展は日本の援助と切り離すことはできない,安倍総理と自分の二人のイニシアティブで開始した直行便の就航を楽しみにしている,また,安倍総理と共に開始した貿易促進についても,10億ドルに達した,日本がカンボジアの重要なパートナーであり,共に仕事をすることができていることを嬉しく思う旨述べました。
2 二国間関係総論
安倍総理より,和平・PKO展開の後,フン・セン首相があらゆる困難を乗り越え,四辺形戦略に基づき,国造りに果たしてきた役割を高く評価する,日本は,貴首相の努力を四半世紀に亘り一貫して全力で支援してきており,これは今後も変わらない旨述べました。更に,安倍総理から,日本は,PKO要員派遣を通じた国際社会へのカンボジアの貢献を評価しており,日本は,PKO活動に資する施設分野の能力構築支援を引き続き実施していく旨述べました。安倍総理より,民主化の一層の進展のためにも次回選挙の自由・公正な実施を期待しており,選挙改革支援を継続する旨述べました。続けて,安倍総理より,昨年,フン・セン首相が私の地元の下関と併せ訪問した北九州市とプノンペンは姉妹都市関係を締結した,あらゆるレベルで関係を強化したい旨述べました。
これに対し,フン・セン首相より,20年間の友好関係に関して日本に感謝したい,日本からの投資も年々増えている,日本企業にカンボジアへの更なる投資を呼びかけて頂ければ幸いである,直行便の開設は,両国間の観光客や投資の増大に資すると考える旨述べました。
また,フン・セン首相より,カンボジアのPKO活動に資する能力構築支援に感謝する旨述べました。更に,フン・セン首相より,一昨日カンボジアがマリに派遣している要員が負傷したことに言及したところ,安倍総理より,負傷したカンボジアPKO要員にお見舞いを述べ,カンボジアは日本が初めて本格的なPKOを派遣した国であり,そのカンボジアがPKOに要員を派遣し,貢献されていることに敬意を表する旨述べました。
フン・セン首相より,マリで負傷したPKO要員に対するお見舞いに感謝する,日本による平和のための政策を支持する,日本が国連の枠内で,平和のためにより大きな役割を果たして頂きたい旨述べました。
更に,フン・セン首相は,2013年に安倍総理がカンボジアを訪問した際に,自分が要請した選挙改革支援に関し,具体的成果が出ていることに言及し,カンボジアの更なる民主化の基盤となる旨述べました。
これに対し,安倍総理より,日本の積極的平和主義及び平和安全法制を支持頂いていることに御礼申し上げる旨述べました。
これに対し,フン・セン首相より,20年間の友好関係に関して日本に感謝したい,日本からの投資も年々増えている,日本企業にカンボジアへの更なる投資を呼びかけて頂ければ幸いである,直行便の開設は,両国間の観光客や投資の増大に資すると考える旨述べました。
また,フン・セン首相より,カンボジアのPKO活動に資する能力構築支援に感謝する旨述べました。更に,フン・セン首相より,一昨日カンボジアがマリに派遣している要員が負傷したことに言及したところ,安倍総理より,負傷したカンボジアPKO要員にお見舞いを述べ,カンボジアは日本が初めて本格的なPKOを派遣した国であり,そのカンボジアがPKOに要員を派遣し,貢献されていることに敬意を表する旨述べました。
フン・セン首相より,マリで負傷したPKO要員に対するお見舞いに感謝する,日本による平和のための政策を支持する,日本が国連の枠内で,平和のためにより大きな役割を果たして頂きたい旨述べました。
更に,フン・セン首相は,2013年に安倍総理がカンボジアを訪問した際に,自分が要請した選挙改革支援に関し,具体的成果が出ていることに言及し,カンボジアの更なる民主化の基盤となる旨述べました。
これに対し,安倍総理より,日本の積極的平和主義及び平和安全法制を支持頂いていることに御礼申し上げる旨述べました。
3 国際場裡の課題
安倍総理は,南シナ海問題に関し,地域の問題を「法の支配」に基づき平和的に解決することが重要であり,南シナ海問題は, 日本を含む地域全体の平和と安定にとって重要な問題となっている,日本にとり,南シナ海は死活的に重要なシーレーンであり,南シナの海域で,国際法が遵守され,航行の自由を確保する必要がある旨述べました。また,比中仲裁裁判の最終判断について,仲裁判断が両当事者にとって最終的であり,かつ,法的拘束力を有する旨の外相談話を発出した旨述べ,本件は,「法の支配」という原理・原則の問題である旨述べました。
これ対し,フン・セン首相より,南シナ海問題に関し,カンボジアは2002年にDOC策定に努力した,中国とASEANとが問題を平和的に解決することを期待しており,DOCの完全実施とCOC策定を進めるべきと考える旨述べました。
最後に,安倍総理より,日本でのカンボジアへの関心は大変高まり,日系企業の投資も増大している,今後もカンボジアとの関係を一層強化するため,投資環境整備やプノンペンの都市機能強化を含め支援していく,長年に亘り日本の友人である貴首相と引き続き緊密に意思疎通していきたい旨述べました。
フン・セン首相より,これまで日本の長年の友人として仕事をしてきたことを嬉しく思っており,これからも安倍総理と仕事をしていきたい旨述べました。
これ対し,フン・セン首相より,南シナ海問題に関し,カンボジアは2002年にDOC策定に努力した,中国とASEANとが問題を平和的に解決することを期待しており,DOCの完全実施とCOC策定を進めるべきと考える旨述べました。
最後に,安倍総理より,日本でのカンボジアへの関心は大変高まり,日系企業の投資も増大している,今後もカンボジアとの関係を一層強化するため,投資環境整備やプノンペンの都市機能強化を含め支援していく,長年に亘り日本の友人である貴首相と引き続き緊密に意思疎通していきたい旨述べました。
フン・セン首相より,これまで日本の長年の友人として仕事をしてきたことを嬉しく思っており,これからも安倍総理と仕事をしていきたい旨述べました。