報道発表
藤井外務副大臣のタジキスタン共和国訪問
令和7年6月3日
藤井比早之外務副大臣は、5月29日から5月31日まで、氷河保全に関するハイレベル国際会議に出席するため、タジキスタン共和国の首都ドゥシャンベを訪問したところ、概要は以下のとおりです。
1 氷河保全に関するハイレベル国際会議の概要
- 5月30日、藤井外務副大臣は、ドゥシャンベで開催された「氷河保全に関するハイレベル国際会議」に日本政府を代表して出席しました。この国際会議には、冒頭にエモマリ・ラフモン・タジキスタン共和国大統領（H.E. Mr. Emomali RAHMON, President of the Republic of Tajikistan）が出席して基調講演を行った他、氷河保全に関心のある関係国の首脳や閣僚、国連機関や国際開発金融機関の代表等が出席しました。
- 藤井副大臣は、同会議全体会合においてステートメントを実施し、氷河をめぐる諸課題の解決に積極的に取り組んできたタジキスタン政府のイニシアティブに敬意を表した上で、気候変動対策や水資源管理の分野で培ってきた日本の知見や技術の各国との共有に期待を表明しました。
2 タジキスタン政府要人等との会談
ホキム・ホリクゾダ・タジキスタン共和国第一副首相
シロジッディン・ムフリッディン・タジキスタン共和国外務大臣
- 5月31日、藤井副大臣は、シロジッディン・ムフリッディン・タジキスタン共和国外務大臣（H.E. Mr. Sirojiddin MUHRIDDIN, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Tajikistan）と会談し、二国間関係について意見交換を行いました。先方は、氷河保全に関するハイレベル国際会議への藤井副大臣の出席を高く評価する旨述べるとともに、二国間関係を多面的に発展させていきたい旨述べました。藤井副大臣は、タジキスタンは法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を構築する上での重要なパートナーである旨述べ、政治、経済、環境、科学技術、文化等の様々な分野において二国間での協力を進めて行きたい旨述べました。双方は、「中央アジア＋日本」対話・首脳会合の開催に向けて協力していくことで一致しました。
- 同日、藤井副大臣は、ホキム・ホリクゾダ・タジキスタン共和国第一副首相（H.E.Mr. Hokim KHOLIQZODA, First Deputy Prime Minister of the Republic of Tajikistan）を表敬しました。双方は、大阪・関西万博へのタジキスタンの参加も含め、政治、経済、環境、科学技術、文化等の様々な分野において、日・タジキスタン関係の更なる関係強化に向けて協力していくことを確認しました。また、双方は、「中央アジア＋日本」対話首脳会合の実現に向けて協力していくことで一致しました。
- 同日、藤井副大臣は、バホードゥル・シェラリゾダ・タジキスタン共和国環境保護委員会議長（H.E. Mr. Sheralizoda Bahodur Ahmadjon, Chairman, Committee for Environmental Protection under the Government of the Republic of Tajikistan）と会談し、環境分野を含めた二国間関係について意見交換を行いました。
- また、5月30日、藤井副大臣は、ハキムゾダ対日友好議連会長（H.E. Mr. Sharif Hakimzoda）と会談し、二国間関係について意見交換を行いました。同会長から、歓迎の言葉とともに、議員間交流を一層進めていきたいとの希望が示されました。
3 各国・国際機関要人との会談
アジズ・アブドゥハキーモフ・ウズベキスタン共和国政体・環境保護・気候変動大臣
- 5月30日、藤井副大臣は、チャルゲルディ・ババニヤゾフ・トルクメニスタン環境保護大臣（H.E. Charygeldi Babaniyazov, Minister of Environmental Protection of Turkmenistan）と会談を行いました。藤井副大臣から、4月の大阪・関西万博ナショナルデーの際のベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領の訪日に言及しつつ、環境分野を含め、二国間関係を一層強化していきたい旨述べました。
- 同日、藤井副大臣は、イアン・ソパレット・カンボジア王国環境大臣（H.E. Dr. eang Sophalleth, Minister of environment of the Kingdom of Cambodia）と会談を行いました。藤井副大臣から、フン・マネット・カンボジア王国首相の訪日等を通じて二国間関係が一層前進することを期待する旨述べました。ソパレット大臣は、これまでの日本の支援に謝意を示すとともに、環境分野での協力も進めていきたい旨述べました。
- 同日、藤井副大臣は、シャフカット・ハムラエフ・ウズベキスタン共和国水資源大臣（H.E. Mr. Shavkat Khamraev, Ministry of Water Resources of the Republic of Uzbekistan）と会談を行いました。双方は、水分野における二国間の協力を進めていくことで一致しました。
- 同日、藤井副大臣は、アジズ・アブドゥハキーモフ・ウズベキスタン共和国政体・環境保護・気候変動大臣（H.E. Mr. Aziz Abdukhakimov, Minister of Ecology, Environmental Protection and Climate Change of the Republic of Uzbekistan）と会談を行いました。藤井副大臣は、日本で留学経験があり、日本語が堪能なアブドゥハキーモフ大臣がウズベキスタンの閣僚であることは大変心強い旨述べました。双方は、環境、観光分野等において二国間関係を一層強化していくことで一致しました。
- この他、藤井副大臣は、以下の要人を含む多くの参加者と意見交換を実施しました。
- アミーナ・モハメド国連副事務総長（Ms. Amina J. Mohammed, Deputy Secretary-General of the United Nations）
- チウェンガ・ジンバブエ第一副大統領（H.E. Gen. Constantino Chiwenga, Vice President of Zimbabwe）
- ジャロー・ガンビア副大統領（Mr. Muhammad B. S. Jallow, Vice-President of the Gambia）
- マジャラ・レソト副首相（Ms. Ntomeng Majara, Deputy Prime Minister of Kingdom of Lesotho）
- ヌサンバエフ・カザフスタン・エコロジー・天然資源大臣（H.E. Mr. Yerlan Nysanbayev, Minister of Ecology and Natural Resources of the Republic of Kazakhstan ）
- マシエフ・キルギス天然資源・エコロジー・技術監督大臣（Mr. Mashiev Meder Asanovich, Minister of Natural Resources of the Kyrgyz Republic）
- ンゴム・セネガル環境大臣（Prof. Daouda Ngom, Minister of Environment and Ecological Transition）
- シン・インド外務副大臣（Mr. Kirti Vardhan Singh, Minister of State for External Affairs and Minister of State for Environment, Forests and Climate Change）
4 開発協力関連行事
「国立家庭医学臨床教育センター医療機材整備計画」供与式
- 5月31日、藤井副大臣は、ドゥシャンベ市内にあるタジキスタン国連事務所において、1998年に職務中に殉職した秋野豊・国連タジキスタン監視団（UNMOT）政務官他国連職員顕彰プレートへの献花を行いました。
- 同日、藤井副大臣は、草の根・人間の安全保障無償資金協力「国立家庭医学臨床教育センター医療機材整備計画」の供与式に出席しました。藤井副大臣は、保健分野は日・タジキスタンの二国間協力において特に重要な分野の一つであり、この支援がタジキスタンの持続可能な発展につながり、日本とタジキスタンの友好が強化されることを願っている旨発言しました。国立家庭医学臨床教育センターからは、供与された機材の説明があり、謝意が表明されました。
- 同日、藤井副大臣は、ドゥシャンベ市内にあるタジキスタン国立文書館を訪問し、一般文化無償資金協力によって供与された機材が活用されている様子を視察しました。
／（参考2）氷河保全に関するハイレベル国際会議
国連総会決議により定められた「国際氷河保全年2025」にあたり、水資源、エネルギー、食糧等に深刻な危機を引き起こす氷河融解を国際的な課題として位置づけ、その対策の推進を目指して、タジキスタン政府が、国際連合教育科学文化機関（UNESCO）及び世界気象機関（WMO）等の国際機関等の支援を得て開催した初の国際会議。
（参考3）秋野豊政務官
1992年からのタジキスタンにおける内戦とその後の和平合意を受け、1998年に同国に派遣された秋野豊・国連タジキスタン監視団（UNMOT）政務官は、1998年7月20日に現地での職務中に殉職された。