報道発表

第6回日・EUハイレベル経済対話の開催

令和7年5月8日
欧州委員会貿易・経済安全保障担当兼機関間関係・透明性担当委員と握手する岩屋大臣の姿
武藤容治経済産業大臣と欧州委員会貿易・経済安全保障担当兼機関間関係・透明性担当委員と3人で記念撮影する岩屋毅外務大臣の様子
第6回日・EUハイレベル経済対話で話し合う岩屋大臣と欧州委員会貿易・経済安全保障担当兼機関間関係・透明性担当委員の様子

 5月8日、午後6時から約1時間、岩屋毅外務大臣は、武藤容治経済産業大臣と共に、訪日中のマレシュ・シェフチョビチ欧州委員会貿易・経済安全保障担当兼機関間関係・透明性担当委員(Mr. Maroš Šefčovič, Commissioner for Trade and Economic Security, Interinstitutional Relations and Transparency, European Commission)との間で、第6回日・EUハイレベル経済対話を開催したところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

  1. 岩屋大臣は、大阪・関西万博の機会におけるシェフチョビチ委員の初訪日を歓迎しました。その上で、日本とEUは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・促進し、国際社会の課題に共に取り組む戦略的パートナーであり、現下の困難な国際情勢を踏まえ、日・EU間の連携は重要性を一層増していると述べました。
  2. これに対し、シェフチョビチ欧州委員は、本日の日・EUハイレベル経済対話では、戦略的パートナーである日・EUの間で、ルールに基づく貿易、経済安全保障を始めとする重要な議題について意見を交わしたい旨述べました。

2 国際貿易

 三者は、世界貿易機関(WTO)を中核とするルールに基づく多角的自由貿易体制を維持するための日・EU間の連携の重要性を再確認しました。また、三者は、WTOの全ての機能を向上させるために必要なWTO改革に向けて取り組んでいく意思を共有しました。また、三者は、グローバル経済秩序が現在直面している大きな挑戦について意見交換を行いました。

3 経済安全保障

 三者は、経済安全保障を確保する上で、志を同じくするパートナー間の協力が重要であることを強調しました。三者は、非市場的政策・慣行とこれによる過剰生産に対する懸念を表明し、サプライチェーンの強靱化のための協力を確認しました。三者は、「透明、強靱で持続可能なサプライチェーン・イニシアティブ」の下で達成されてきた実質的な進展、特に、経済的要因のみならず、透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性の原則に関連する要因も考慮した基準に係る協調的な取組を歓迎しました。また、三者は、重要鉱物サプライチェーンの強靱化・多角化と重要・新興技術の促進・保護のため引き続き協力していくことで一致しました。その上で、G7を含む志を同じくするパートナー間の連携を強化していくことや新興国及び途上国と連携していくことで一致しました。

4 今後の協働

 三者は、グローバル・ガバナンスへの貢献における日・EU間の協力と、経済安全保障や産業競争力といった課題に取り組むためハイレベル経済対話を強化することの重要性を強調しました。

(参考)透明、強靱で持続可能なサプライチェーン・イニシアティブ

 2024年5月2日の日・EUハイレベル経済対話において、より透明、強靱で持続可能なサプライチェーンを構築するための政策に係る取組を連携させ、前進させるため、立ち上げられたもの。日EU双方は、このイニシアティブの下で、サプライチェーンの強靱化に向け、経済的要因のみならず、透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性の原則に関連する要因も考慮した基準の在り方や同志国との連携等につき議論している。


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