報道発表

バングラデシュ人民共和国に対する円借款(2件)に関する書簡の署名・交換

令和7年3月25日

 3月25日(現地時間同日)、バングラデシュ人民共和国の首都ダッカにおいて、齋田伸一駐バングラデシュ人民共和国日本国特命全権大使と、モハンマド・シャハリアル・カデル・シディキ・バングラデシュ人民共和国財務省経済関係局次官(Mr. Md. Shahriar Kader Siddiky, Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance, People’s Republic of Bangladesh)との間で、総額858.19億円を限度とする円借款2件に関する書簡の署名・交換が行われました。

  1. 対象案件の概要
    1. 「食品安全検査能力向上計画」(供与限度額286.99億円)
       バングラデシュでは、農薬や化学肥料、保存料や着色料の過剰使用等による食品安全性に対する懸念やこれに起因する健康被害への影響が指摘されていますが、食品の安全性を検査するためのインフラが整備されていないことが課題になっています。
       この協力は、首都のダッカ市を始めとする主要都市において、十分な科学的根拠に基づく食品安全検査のための施設や機材(実験・研究機能を有する食品安全検査棟や残留農薬検査機器、重金属・鉱物検査機器、微生物検査機器など)を整備するための資金を融資するものです。この協力により、同国の食品安全検査能力の向上が図られ、もって食品加工業の振興、産業多角化、安全性の低い食品に起因する疾病の予防等に貢献することが期待されます。
    2. 「マタバリ超々臨界圧石炭火力発電計画(第八期)」(供与限度額571.20億円)
       近年の経済成長や工業化の進展等により、バングラデシュ南東部では急増する電力需要に供給量が追いついていない状況です。
       この協力は、同国南東部のチョットグラム管区マタバリ地区において、定格出力約1200MW(約600MW×2基)の高効率かつ環境社会配慮を講じた超々臨界圧石炭火力発電所に加え、石炭搬入用港湾、送電線、アクセス道路等の関連設備を建設するための資金を融資するものです。なお、これまで同発電所建設のために、2014年(平成26年)5月から7期にわたり円借款を供与しており、今回はこれらに続く第八期の融資となります。
       この協力により、来年を目処に年間7,865GWhを発電できる見込みであり、これにより、同国における電力供給の拡大やエネルギー源の多様化が図られ、もって同国における経済全体の活性化に寄与することが期待されます。
  2. 供与条件
    1. 上記1(1)
      1. 金利:年1.85%(コンサルティングサービス部分は年0.55%)
      2. 償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
      3. 調達条件:アンタイド
    2. 上記1(2)
      1. 金利:年1.95%(コンサルティングサービス部分は年0.55%)
      2. 償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
      3. 調達条件:アンタイド

(参考1)円借款

 開発途上国に対して必要な資金を緩やかな条件(低い金利や長い返済期間)で貸し付ける協力。開発途上国にとっては、日本への返済を前提とした資金であり、効果的な活用や自立的発展に繋がることが期待されます。

(参考2)バングラデシュ人民共和国基礎データ

 バングラデシュ人民共和国は、面積約14万7千平方キロメートル(日本の約4割)、人口約1.71億人(2023年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)2,860米ドル(2023年、世界銀行)。


報道発表へ戻る