報道発表
スーダン共和国に対する無償資金協力「小麦バリューチェーン強化計画(WFP連携)」に関する書簡の署名・交換
令和7年2月21日
2月20日(現地時間同日)、世界食糧計画(WFP)の本部があるイタリア共和国の首都ローマにおいて、鈴木哲駐ローマ国際機関日本政府代表部特命全権大使兼イタリア共和国日本国特命全権大使とラニア・ダガシュ=カマラ世界食糧計画パートナーシップ及びイノベーション担当事務局長補(Ms. Rania DAGASH-KAMARA, Assistant Executive Director, Partnerships and Innovation of the World Food Programme)との間で、スーダン共和国に対する供与額9.51億円の無償資金協力「小麦バリューチェーン強化計画(WFP連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました。
- スーダンでは、小麦を戦略的に重要な食料作物と位置付けて増産を図ってきましたが、2023年(令和5年)4月に発生した国軍と即応支援部隊との武力衝突の影響で生産量が減少し、国内需要の15%程度しか生産できていません。また、収穫後の処理技術や貯蔵インフラが不十分なため収穫量の約30~40%のロスが発生していると言われており、小麦の増産と収穫後ロスの削減が課題となっています。 さらに、上記の武力衝突が長期化する中で、スーダンでは人道状況が非常に悪化しており、WFPによれば、人口の半数以上が食糧不安に直面し、世界最大の食料危機となる恐れがあるとされ、食料問題への対策が急務となっています。
- この協力は、スーダンの3つの州(北部州、リバーナイル州及びカッサラ州)において、農業普及員や農家に対し、JICA技術協力プロジェクトで開発された耐乾性品種を含む小麦種子及び肥料を配布するとともに小麦の生産から貯蔵までの管理に係る機材供与と能力強化を行うことにより、農業生産性の向上を図ることで、スーダンの食料安全保障の強化に寄与するものです。
- 我が国は、2022年(令和4年)8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)において、食料危機対応・持続可能な農業生産支援に取り組むことを表明しており、今回の協力はこれを具体化するものです。
(参考)スーダン共和国基礎データ
スーダン共和国の面積は約188万平方キロメートル(日本の約5倍)、人口は約5,004万人(2023年、世界銀行)、人口一人当たりの国民総所得(GNI)は880米ドル(2023年、世界銀行)。