報道発表

国際協力機構と米州開発銀行による「民間セクター開発信託基金(TADAC)」の設立

令和7年2月18日

 2月18日、横浜市において、田中明彦国際協力機構(JICA)理事長と、米州開発銀行(IDB)の域外国会合に参加するため訪日中のイラン・ゴールドファインIDB総裁(Mr. Ilan GOLDFAJN, President of the Inter-American Development Bank)との間で、「民間セクター開発信託基金(Trust Fund Achieving Development of Latin America and the Caribbean(TADAC))」に関する出資契約が調印されました。本出資契約の調印は、ゴールドファイン総裁による、日系人海外移住の歴史を展示している海外移住資料館の視察に続けて行われたものです。

  1. 中南米地域は、所得格差やジェンダー格差、気候変動に対する脆弱性といった様々な社会課題を抱えており、このような社会課題の解決にあたっては、民間セクターによる社会課題解決の取組を促進することが一層重要になっています。
  2. 本件は、JICAの海外投融資を活用して、中南米地域最大の開発金融機関であるIDBにおいて民間投融資部門を担う米州投資公社(IDB Invest)が運用する信託基金(TADAC)を新たに設立し、10億米ドルをTADACへ出資するものです(最大で15億米ドルまで増資可能)。TADACは、中南米地域の民間企業の取組に対して融資を行うことにより、所得格差やジェンダー格差、気候変動に対する脆弱性といったSDGsの達成を促進し、同地域の持続的な社会経済の発展に寄与することが期待されます。
(参考1)海外投融資

 民間セクターを通じた途上国開発の促進を目指して、民間企業等による開発事業に対し出資や融資を行う国際協力機構(JICA)の事業。

(参考2)米州開発銀行(IDB)

 中南米地域の域内加盟国の経済・社会発展に貢献することを目的として、1959年に設立された国際開発金融機関。北米・中南米諸国の28か国に加え、域外の20か国が加盟(アジアからは日中韓の3か国が加盟)し、合計48か国から構成。

(参考3)米州投資公社(IDB Invest

 民間企業への出融資により、中南米地域の域内開発途上加盟国の経済開発を促進することを目的として、1986年に設立。IDBと同様、合計48か国から構成。


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