報道発表

G20貿易・投資大臣会合の開催(結果概要)

令和6年10月25日
G20貿易・投資大臣会合の様子 (写真提供:ブラジル政府)
会合に出席する片平聡経済局長の様子 (写真提供:ブラジル政府)

 10月24日、ブラジル・ブラジリアにて、G20貿易・投資担当大臣会合が開催され、外務省から片平聡経済局長、経済産業省から松尾剛彦経済産業審議官が出席しました。

  1. 今次会合では、議長国ブラジルが会合のテーマとして設定した、(1)WTO改革と多角的貿易体制の強化、(2)国際貿易における女性、(3)貿易と持続可能な開発、(4)投資協定における持続可能な開発、の4つのテーマの下で活発な意見交換が行われました。今次会合の成果(別添)は、11月のG20首脳会合で採択される「リオ宣言」への貢献としてG20首脳に提出されます。また、我が国を始めとする多くの国が、ロシアによるウクライナ侵略を強く非難し、その世界経済への影響等に深刻な懸念を表明しました。
  2. 我が国からは、主に以下の点について発言しました。
    1. WTOの紛争解決制度改革について、第13回WTO閣僚会議(MC13)での閣僚決定を踏まえ、2024年末までの改革実現に向けて取組を加速していく必要がある。
    2. 公平な競争条件の確保の観点から、補助金等といった産業政策の透明性を高めること、また、産業政策の貿易歪曲効果を最小化することが重要であり、WTOの「貿易と産業政策」に関する対話の場も活用し、現行のWTOルールが適切に機能しているのか議論を深めたい。
    3. WTOにおける有志国による新たなルール形成の取組である共同声明イニシアティブ(JSI)は重要な取組であり、開発のための投資円滑化協定や、電子商取引交渉の成果のWTOの法的枠組みへの組込みに向けて政治的モメンタムを与える必要がある。
    4. WTOの漁業補助金協定の早期発効は、水産資源の持続可能性の観点からも重要であり、未受諾のWTOメンバーの速やかな受諾を求めるとともに、第二段階交渉についても引き続き粘り強く交渉していく。
    5. 国際貿易における女性に関して、企業における女性活躍の推進は重要であり、日本国内での女性起業家支援を含む取組に加え、国際貿易センター(ITC)を通じた世界の女性の就労・起業支援を継続していく。
    6. 各国が気候変動対策を強化する中、貿易関連の気候変動対策の措置が過度に貿易制限的とならないよう、国際的なガイダンスを検討することは重要。我が国は、WTOにおいて、体化排出量の計測手法に関する提案をしており、各国と連携して有意義な成果を目指したい。
    7. 投資協定における持続可能な開発について、民間企業による国境を越えた幅広い投資が必要であり、民間投資を十分に保護・自由化する投資関連協定の役割は引き続き重要である。
(参考1)参加国・地域・国際機関
【G20メンバー】
日本、ブラジル(議長国)、アルゼンチン、豪州、インド、インドネシア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、英国、米国、EU、アフリカ連合(AU)
【招待国】
チリ、エジプト、オランダ、NZ、ノルウェー、ペルー、ポルトガル、シンガポール、スイス、スペイン、アラブ首長国連邦、ウルグアイ
【国際機関】
世界貿易機関(WTO)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)、国際貿易センター(ITC)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、アンデス開発公社(CAF)、国連食糧農業機関(FAO)、米州開発銀行(IDB)、国際労働機関(ILO)

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