報道発表

セネガル共和国に対する無償資金協力4件に関する書簡の交換

令和6年7月22日

 7月19日(現地時間同日)、セネガル共和国の首都ダカールにおいて、伊澤修駐セネガル共和国日本国特命全権大使と、アブドゥラフマン・サール・セネガル共和国経済・計画・協力大臣(H.E. Mr. Abdourahmane SAAR, Minister of Economy, Planning and Cooperation of the Republic of Senegal)との間で、人材育成、保健、地雷除去、食糧援助に関する4件の無償資金協力(計46.23億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. 無償資金協力「人材育成奨学計画」(供与限度額:2.39億円)
     セネガルでは、取り組むべき課題に比して各開発課題を取り扱う政府機関・関係省庁の財源及び能力が求められているため、行政能力の向上と制度構築が課題となっており、中核となる行政官の育成が期待されています。
     この協力は、セネガル政府の中枢において活躍することが期待される若手行政官等が、本邦大学院において学位(修士)を取得することを支援することにより、同国の開発課題の解決を図るものです。また、この協力により、人的ネットワークの構築を通じた二国間関係の強化に寄与することも期待されます。
     我が国は、2022年(令和4年)8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)において、若者や女性を含めたアフリカの人材育成の実施を表明しており、この協力はこれを具体化するものです。
  2. 無償資金協力「ティエス州地域中核病院拡充計画」(供与限度額:37.24億円)
     セネガルでは、近年、糖尿病やがん、循環器疾患といった非感染性疾患(NCDs)が死因の約半数を占めており、セネガル政府は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成を目指すなかで、患者数が急増しているNCDsへの対応や適切な保健インフラの整備を上位政策・主要課題の一つとしていますが、診断や治療に必要とされる施設や機材が不足・老朽化しており、診断・治療体制の拡充が急務となっています。
     この協力は、周辺地域や周辺国(ガンビア、ギニア、ギニアビサウ等)からも患者を受け入れているティエス州病院の拡張及び医療機材整備を行うことにより、同州とその周辺地域における診断・治療体制の強化を図るものです。この協力により、セネガルの強靭な保健システムの構築を通じたUHCの達成並びに格差是正及びレジリエンス強化に寄与することが期待されます。
     我が国は、TICAD 8において、UHC推進、保健・医療制度強化、より良い健康安全保障の構築に取り組むことを表明しており、この協力はこれを具体化するものです。
  3. 無償資金協力「経済社会開発計画」(地雷除去関連機材(地雷除去機、油圧ショベル等)の供与)(供与額:4.6億円)
     セネガル南部のカザマンス地方には、政府軍と反政府武装組織との間の過去の武力衝突の影響で地雷が敷設されており、同国政府は1999年(平成11年)に対人地雷禁止条約(オタワ条約)を批准し、2008年(平成20年)から地雷除去活動を続けていますが、地雷除去機の老朽化と不足により、地雷原300ヘクタールのうち半分の地雷除去が依然として完了していません。
     この協力は、セネガル政府に対し、日本企業製品の地雷除去関連機材(地雷除去機、油圧ショベル等)を供与することにより、オタワ条約の履行義務となっているカザマンス地方の地雷完全撤廃並びに地雷撤去後の道路整備及び農地開拓の促進を図るものです。この協力により、社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
     我が国は、TICAD 8において、「アフリカの平和と安定に向けた新たなアプローチ」(NAPSA)の下、経済成長・投資や生活向上の前提となる平和と安定の実現に向けたアフリカ自身の取組を後押しし、人々が安心して暮らせる社会の実現を目指すことを表明しており、この協力はこれを具体化するものです。
  4. 無償資金協力「食糧援助」(供与額:2億円)
     セネガルでは、気候変動による頻繁な熱波、干ばつ、洪水による食料生産への打撃やウクライナ危機等による食料価格の高騰等により、食料へのアクセスが十分に確保できておらず、食料安全保障への対策が急務となっています。
     この協力は、我が国政府米による食糧援助を実施するもので、これにより、セネガルの食料安全保障の確保に寄与することが期待されます。
     我が国は、TICAD 8において、「食料危機対応・持続可能な農業生産支援」に取り組むことを表明しており、この協力はこれを具体化するものです。
(参考)セネガル共和国基礎データ

 セネガル共和国の面積は約19.7万平方キロメートル(日本の約半分)、人口は約1,732万人(2022年(令和4年)、世界銀行)、人口一人当たりの国民総所得(GNI)は1,620米ドル(2022年(令和4年)、世界銀行)。


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