報道発表
ブータン王国に対する無償資金協力「モンガル県における主要国道一号線橋梁架け替え計画」他1件に関する書簡の署名・交換
令和6年5月20日
5月20日(現地時間同日)、インドの首都ニューデリーにおいて、鈴木浩駐ブータン王国日本国特命全権大使(インド兼轄)と、ヴェツォプ・ナムギャル駐日ブータン王国特命全権大使(H.E. Mr. Vetsop Namgyel, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the Kingdom of Bhutan to Japan)(インド兼轄)との間で、以下の2件の無償資金協力(合計18.38億円)に関する書簡の署名・交換が行われました。
- 「モンガル県における主要国道一号線橋梁架け替え計画」(供与限度額:16.34億円)
ブータンは、国土の大部分が山岳地帯であり、道路が最も重要な交通・輸送手段となっています。特に本協力の対象である主要国道一号線は、幹線道路であり、同国の物流の観点や首都にある高次医療施設といった生活に必要な施設へのアクセスといった観点から必要不可欠な道路です。しかし、同国道上にある2橋梁(ナムリン橋、ダーダリ橋)は、災害による落橋のため現在は仮設橋となっており、速やかな架け替えが必要です。架け替えに当たっては、同国の技術では施工の難度が高く、また同国政府には予算上の制約があることから、架け替えを行えない状況です。
本協力は、こうした状況を踏まえ、日本の技術を活用して、2橋梁の架け替えを行うものです。この協力により、幹線道路の利便性・持続性の向上、物流・人の移動の円滑化、医療へのアクセス等の改善が図られ、ブータンの持続的な経済成長に寄与することが期待されます。
また、我が国は、ブータンに対し、技術協力プロジェクト「道路斜面対策工能力強化プロジェクト」等を通じた人材育成を行ってきています。本協力が、これらのプロジェクトとの間で相乗効果を生み、ブータンにおける道路インフラのより効果的な維持管理につながることが期待されます。 - 「人材育成奨学計画」(供与限度額:2.04億円)
本協力は、ブータンの若手行政官等が、我が国で学位(修士または博士)を取得するために必要な学費等を供与するものです。
この協力により、令和7年度に、最大で修士課程9名及び博士課程1名のブータンの行政官等が、我が国の大学院に留学することになります。この協力を通じて育成された人材が、将来ブータンの各分野での開発課題の解決に貢献するとともに、我が国とブータンの相互理解や友好関係の更なる強化に寄与することが期待されます。
(参考)ブータン王国基礎データ
ブータン王国は、面積約3万8,394平方キロメートル(日本の九州程の大きさ)、人口約78.2万人(2022年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)3,290米ドル(2021年、世界銀行)。