報道発表

上川外務大臣とラザリーニ国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長との会談

令和6年3月28日
ラザリーニ事務局長と握手する上川外務大臣
ラザリーニ事務局長と会談を行う上川外務大臣

 3月28日、午後7時25分から約50分間、上川陽子外務大臣は、フィリップ・ラザリーニ国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長(Mr. Philippe Lazzarini, Commissioner General, the United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、ガザ地区においてUNRWAの多くの職員が献身的に人道支援に従事していることに敬意を表するとともに、亡くなられたスタッフに哀悼の意を表しました。
     また、UNRWAへの拠出金は、日本国民の税金を原資とする貴重なものであると述べた上で、UNRWAのガバナンス強化については、第三者検証グループの中間報告も踏まえ、日本の支援がいかなるテロ活動にも使われないことを確保するための実効的な措置がとられることが重要である旨述べました。
     その上で、上川大臣からは、(1)組織のデューデリジェンスの強化、(2)他の国際機関との連携強化、(3)教育の中立性の確保、(4)女性のリーダーシップ層への参画促進を通じた女性の視点の取り込みを重視している旨述べました。
     また、これらに加え、資金の透明性・トレーサビリティの確保やUNRWA職員の中立性の確保が重要である旨指摘しました。
  2. これに対して、ラザリーニ事務局長は、これまでの日本の支援に謝意を表するとともに、次のとおり述べました。
  1. UNRWAの取組として、(ア)内部監査局(DIOS)の強化を含むUNRWA本部の現場へのグリップの強化や、第一線で管理職を務める現地職員のマネージメント力の改善、(イ)他の国際機関との連携やドナーへの透明性の高い情報提供、(ウ)教科書の問題への対処、(エ)現地職員の中立性を確保するためのスクリーニングや教育の充実等を進めていく。
  2. これらの取組に加え、UNRWAのガバナンス改革やガザにおける復興事業において、女性のリーダーシップを重視していく。
  3. 日本がUNRWAを通じて実施するプロジェクトの透明性とトレーサビリティを確保するために、日本との間でプロジェクト管理やモニタリングを行う新たな枠組みを設け、その中で、UNRWAの邦人職員にも活躍いただく。
  4. こうしたUNRWAによる改革の取組の実施状況については、定期的にレビューし、日本を含めドナーに報告していく。

  1. これに対して、上川大臣は、我が国が重視する事項に沿ったUNRWAのアクションプランと日本との間の追加的取組を評価しました。これらを踏まえ、両者は、日本の拠出再開のために必要な取組について、最終的な調整を行っていくことで一致しました。

(注)第三者検証グループ
 国連事務総長の任命により、コロンナ前仏外務大臣を議長として、UNRWAの中立性を確保するために必要なガバナンス改革について提言を出す役割を担う第三者機関。3月20日、中間報告を国連事務総長に提出した。


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