報道発表
上川外務大臣の令和5年度アジア大洋州大使会議への出席
令和6年3月1日


3月1日、午後5時50分から約80分間、上川陽子外務大臣は、令和5年度アジア大洋州大使会議に出席し、出席した大使と意見交換を行ったところ、概要以下のとおりです。
- 令和5年度アジア大洋州大使会議は、2月29日から3月1日の日程で、アジア大洋州地域及び北米地域の駐在大使の出席を得て、対面で開催されました。
- 上川大臣は、出席大使に対して訓示を行い、概要以下のとおり述べました。
- 私は、駐日大使を含めた様々なステークホルダーとのつながりを強化し、これを外交活動と連動させていく「アウトリーチ型の外交」に取り組んでいる。各大使においても、同様の視点から、任国関係者に積極的にアプローチしてほしい。
- 厳しさを増す安全保障環境や経済的な相互依存に由来する挑戦等、アジア大洋州地域が多くの課題に直面している状況だからこそ、この地域での法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の推進は益々重要である。その観点から、特に安全保障(新たに創設された政府安全保障能力強化支援(OSA)や新大綱に基づくODAの活用、女性・平和・安全保障(WPS)の推進)及び経済外交(GX・DXといった新たな手法やAI等新たな技術の活用による課題の解決策を共に見出すアプローチ、官民連携等)の分野での取組を強化する必要がある。
- 北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題に対し、米国を始めとする国際社会と緊密に連携することが重要。この観点からも、韓国とは、パートナーとして力を合わせなければならない。中国とは「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な日中関係」を日中双方の努力で構築する必要がある。
- ASEAN諸国との間では、昨年の日ASEAN友好協力50周年特別首脳会議で打ち出したビジョンを実現すべく、次世代の交流、経済・社会の「共創」、地域の平和と安定への貢献のための協力の具体化を推進してほしい。
- 太平洋島嶼国について、共有する価値や原則に基づく信頼関係の強化が重要である。本年7月の太平洋・島サミット(PALM10)では、地域の一体性を支え、「2050年戦略」に沿って、太平洋島嶼国自身のニーズに寄り添うことが重要である。
- グローバル・サウスへのアウトリーチのあり方について、相手国の多様性を尊重し、対話を通じて各国の課題解決に貢献してきた日本外交の伝統を活かし、きめ細やかな外交を進めてほしい。
- 対外発信について、今までどおりの発想にとらわれず、各国・地域毎に異なる日本のイメージを踏まえ、日々改善しながら発信に取り組む必要がある。
- 訓示に続いて、気候変動、ODA・OSA、戦略的な対外発信の3つのテーマについて各大使を交えた活発な意見交換が行われました。