報道発表
イラン・イスラム共和国に対する無償資金協力「アフガン難民及びホストコミュニティのための質の高い教育及び保健医療サービスへのアクセス改善計画(UNHCR連携)」に関する書簡の署名・交換
令和6年2月26日
2月26日(現地時間同日)、イラン・イスラム共和国(テヘラン)において、塚田玉樹駐イラン・イスラム共和国日本国特命全権大使と、高嶋由美子国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)イラン代表(Ms. Yumiko ISHIKAWA TAKASHIMA, UNHCR's Representative in the Islamic Republic of Iran)との間で、供与額4.92億円の無償資金協力「アフガン難民及びホストコミュニティのための質の高い教育及び保健医療サービスへのアクセス改善計画(UNHCR連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました。
- イランは、40年以上前から多数のアフガン難民を受け入れ、難民への教育・保健医療サービス等の提供することで、イラン社会における難民の包摂性強化を目指してきました。2021年8月のアフガニスタンの情勢変化に伴う社会的・経済的混乱以降、アフガン難民受け入れ数は増加傾向にあり、現在、約450万人以上がイランで居住していると推定されています。これを受け、難民が多く居住するホストコミュニティにおける校舎不足や、保健医療サービスの逼迫が喫緊の課題となっています。
- この協力は、イラン・イスラム共和国において公立学校3校の建設、イラン政府が難民に提供している健康保険(UPHI)への加入補助及びアフガニスタン人女性ヘルスワーカー等への研修を実施することで、同国における、アフガン難民及びホストコミュ二ティの教育・保健医療サービスへのアクセスの改善並びにイラン社会におけるアフガン難民の包摂性強化に寄与するものです。
- 我が国は、2023年12月に、スイス連邦のジュネーブで開催された第2回グローバル難民フォーラム(GRF)において、短期的な人道支援に加え、より未来を見据えた、中長期的なアプローチの必要性や、難民・避難民への対応における「人道・開発・平和の連携(HDPネクサス)」の推進及び「女性・平和・安全保障」の考え方の重視を表明しており、この協力は、これらの表明を具体化するものです。
(参考)イラン・イスラム共和国基礎データ
イラン・イスラム共和国の面積は約165万平方キロメートル(日本の約4.4倍)、人口は約8,503万人(世界銀行、2021年)、1人当たり国民総所得(GNI)は約3,480米ドル(世界銀行、2021年)。