報道発表
海外における日本語の普及促進に関する有識者懇談会「議論の総括と政策提言」の提出
- 本31日午前,「海外における日本語の普及促進に関する有識者懇談会」の木村孟座長(元東京工業大学学長)は,岸田文雄外務大臣に『議論の総括と政策提言』を提出しました(若林健太外務大臣政務官同席)。
同提言では,海外の日本語の普及の現状について,いかに日本語学習者を増やしていくかとの観点からの需要の側面と,いかに日本語学習者を支援するかという学習環境の整備といった供給の両面から分析し,主に以下の課題を指摘した上で,具体的な施策を提言しています。
(1)需要面での課題としては,日本の魅力の発信を強化すること等を通じ新たな日本語学習者を発掘する一方,日本への留学や日系企業等への就職を含め日本語を学習するメリットを明確にし,継続的な日本語学習を促す必要性等
(2)供給面での課題としては,日本語教師等の人材不足と学習教材の不足,日本語教育のIT化を推進することの必要性等
(3)海外永住日本人子弟等に対する「継承日本語教育」への取り組みの必要性
木村座長からは本提言の提出にあたり,今回、岸田大臣のリーダーシップにより,各分野の専門家,民間企業の代表及び関係省庁の代表が集まって,海外における日本語普及という重要な問題について議論し,政策提言する場を設けていただいたことは画期的であり,感謝すると述べ,これらの課題と施策は,関係省庁・機関が連携し、民間企業等の協力も得ながら、「オール・ジャパン」として取り組まなければ十分な効果は望めないので,岸田大臣のお力添えにより,政府全体として有効な手立てが講じられるようにお願いしたい旨述べました。
これに対して,岸田大臣からは,政策提言を取りまとめた懇談会の努力に謝意を表しつつ,提言をしっかりと受け止め,まずは外務省と国際交流基金が協力してできることは着手させ,その上で民間部門とも連携を図りながら、文字通り「オール・ジャパン」で取り組むことができるようにしていきたい旨述べました。 続いて,本懇談会に継続的に出席してきた若林政務官から,毎回活発な議論がなされ,その成果として大変有意義な報告書が提出されたことを担当の政務官として嬉しく思う旨述べました。
(参考) 「海外における日本語の普及促進に関する有識者懇談会」メンバー
- 座長
- 木村 孟 元東京工業大学学長
- 委員(あいうえお順)
- 内永 ゆか子 ベネッセ・ホールディングス取締役副社長兼ベルリッツ・コーポレーション 代表取締役会長兼社長兼CEO
- 岡田 常之 住友商事株式会社人事部長
- 尾﨑 明人 名古屋外国語大学外国語学部日本語学科教授
- ロバート・キャンベル 東京大学教授
- 迫田 久美子 国立国語研究所日本語教育研究・情報センター長
- 佐藤 次郎 財団法人日本語教育振興協会理事長
- 嶋田 和子 一般社団法人アクラス日本語教育研究所代表理事
- 天日 隆彦 読売新聞東京本社論説委員
- 春原 憲一郎 財団法人海外産業人材育成協会理事