報道発表

スワジランドに対する無償資金協力
「包摂的な教育の推進のための中等学校建設計画」に関する書簡の交換

平成29年6月29日

1 本29日(現地時間同日),スワジランド王国の首都ムババネ市において,我が方廣木重之駐スワジランド大使(南アフリカにて兼轄)と先方プリンス・シュラングセンピ経済企画開発大臣(H. R. H. Prince Hlangusemphi,Minister of Economic Planning and Development)との間で,17億2,300万円を供与限度額とする無償資金協力「包摂的な教育の推進のための中等学校建設計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 現在,スワジランドでは中等学校が十分に整備されておらず,人口流入の大きい都市部での教室不足や,地方部における遠距離通学が課題となっており,特に障害を持つ子どもにとっては受入れ先が見つからず,入学がより困難となっています。そのため,同国は「教育訓練セクター政策」(2011年)において性別,生活習慣,健康,障害の有無,学習能力,経済力等の条件によらず全ての子どもの就学ニーズに応じる教育を「インクルーシブ教育」とし,全ての教育段階において物理的に可能な限り全ての子どもが普通校で学ぶことを目標に小学校を中心としてインクルーシブ教育の普及に取り組んでいます。他方,2015年時点でインクルーシブモデル校は9校設立されていますが,中等学校は1校のみであり,同モデル中等学校の増設が急務となっています。

3 この計画は,中等学校建設及び機材整備を行うことにより,障害を持つ子どもに配慮した学習環境の向上を図り,もって障害を持つ子どもの中等教育への公平なアクセスとともに,人材育成と社会的弱者の基礎生活の向上に寄与することが期待されています。

4 我が国は,2016年8月に開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において,平和と安定の実現に向けた基礎造りとして教育及び職業訓練に取り組む旨表明(PDF)別ウィンドウで開くしていることから,この計画はこれを具現化するものです。

(参考)スワジランド王国基礎データ
 スワジランド王国はアフリカ南部に位置し,面積約1.7万平方キロメートル(四国よりやや小さい),人口約129万人(2015年,世界銀行),人口一人当たりの国民総所得(GNI)は3,230米ドル(2015年,世界銀行)。


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