報道発表
岸田外務大臣とベアード・カナダ外相とのワーキングランチ
平成26年7月28日


本28日正午から約1時間半、岸田文雄外務大臣は、訪日中のジョン・ベアード・カナダ外相(The Honourable John Baird, Minister of Foreign Affairs of Canada)とワーキング・ランチを行いました。概要は以下のとおりです。
- まず、岸田外務大臣から、ベアード外相の訪日を歓迎する旨述べた後、先般のマレーシア航空機撃墜により亡くなられたカナダの犠牲者及び御遺族に対する哀悼の意を表明しました。また、分離派武装勢力が和平に向けた対話に応じ、本事件調査に協力するよう、ロシアによる影響力行使を期待すること、また、G7の連携が重要であり、日加間でも緊密に意思疎通を図りたい旨を述べました。これに対し、ベアード外相から、ウクライナの情勢を憂慮しているとして、G7の一体性が重要であり、日本と連携していきたい旨述べました。
- また、岸田外務大臣から、基本的価値を共有するアジア太平洋地域のパートナーたるカナダとの間での幅広い分野での協力につき言及しました。ベアード外相から、85年前の外交関係樹立以来、日加間の友好関係は、共通の価値、貿易、安全保障、技術交流及び人的交流に基づく強固でダイナミックなパートナーシップに成長した等の発言がありました。
- 岸田外務大臣からは、我が国の「積極的平和主義」、安保法制整備の基本方針に関する閣議決定について説明したのに対し、ベアード外相から、カナダは、安保法制整備の基本方針に関する閣議決定、日本の国際平和と安全保障に関する努力を支持する旨述べました。また、岸田外務大臣から、近く開催されるARFにおいて、アジア太平洋地域における法の支配の貫徹に向け、日加間で連携を図りたい旨述べました。これに対し、ベアード外相からは、地域の緊張を懸念しており、緊張を更に高めるような敵対的な行動を回避し、国際法に従い紛争を平和的に解決することが重要である旨述べました。
- 更に、岸田外務大臣から、TPPや日加EPA交渉等を通じ、貿易・投資関係の更なる拡大が重要であること、また、低廉なLNGの安定的な輸入実現等、資源大国カナダとの間でエネルギー分野での協力を進めたい旨述べました。これに対し、ベアード外相から、日加EPAについては、今日からオタワで第六回交渉が行われ、日加EPA交渉の進捗を期待するとともに、LNG輸出を早期に実現したいとの話がありました。
- また、文化・スポーツ交流について、岸田外務大臣から、カナダ人宣教師から英語を学び「赤毛のアン」の翻訳で有名な村岡花子を題材としたテレビドラマが好評を博していることを紹介し、語学留学を含む青少年交流を含め、引き続き活発な交流を進めたい旨述べました。特にスポーツ分野では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に向け、カナダと協力したいと述べました。これに対し、ベアード外相から、2020東京大会に向け協力したい、人的交流は重要であり、協力していきたい旨応答しました。
- 両外相は、その他アジア太平洋地域情勢等につき意見交換を行いました。
- ジョン・ベアード・カナダ外相の来日(報道発表)(平成26年7月23日)
- ベアード・カナダ外相による菅官房長官への表敬(平成26年7月28日)
- 日・カナダ経済連携協定
- KAKEHASHI Project -The Bridge for Tomorrow-(北米地域との青少年交流(米国・カナダ))
- 各国・地域情勢