報道発表
アフガニスタン・パキスタンに関する国際コンタクト・グループ(ICG)会合(結果概要)
1 本15日,東京において,アフガニスタン・パキスタンに関する国際コンタクト・グループ会合が開催され,世界61か国・機関の代表が参加し,活発な議論が行われました。
2 この会合への出席のため,アフガニスタンから以下の要人が来日しました。
- ザヒルワル財務大臣 (Dr. Omar Zakhilwal, Minister of Finance)
- アフマディ外務副大臣(Mr. Ershad Ahmadi, Deputy Minister of Foreign Affairs for Political Affairs)
- サマル・アフガニスタン独立人権委員会委員長(Dr. Sima Samar, Chairperson of Afghanistan Independent Human Rights Committee)
3 この会合では,(1)大統領選挙,(2)アフガン治安部隊,(3)相互責任に関する東京フレームワーク(TMAF)の3つについて議論がなされ,以下のメッセージが発出されました。(議長声明概要(PDF))
(1)大統領選挙
アフガニスタンの歴史上初めて民主的な政権移譲を行う機会となる大統領選挙について,4月5日の選挙日当日の治安が維持され,前回を大きく上回る数のアフガニスタン国民が投票したことを評価。引き続き,選挙プロセスが,自由,公正,透明かつ開かれた形で進められることに対する期待の表明。
(2)アフガン治安部隊
2014年末を目標とした国際治安支援部隊(ISAF)からアフガン治安部隊(ANSF)に対する治安権限の移譲プロセスが進んでいることを評価。選挙当日の治安が安定していたことは,ANSFの能力向上の証左。引き続き,着実な治安権限移譲,治安部隊の規律・能力の向上に向けた関係者の努力を期待すると共に,国際社会が引き続き支援を約束。
(3)相互責任に関する東京フレームワーク(TMAF)
TMAFに対するアフガニスタン政府及び国際社会の取組に進展が見られることを評価。これまでの取組を踏まえ,TMAF指標をアップデートしていく必要性が共有され,今後,新政権と議論していくことの必要性を確認。
4 また,新政権に対して,米・アフガニスタン二国間安全保障協定及びNATOとの地位協定への早期署名,反政府武装勢力との和解に取り組むことへの強い期待が表明されました。
【参考1】アフガニスタン・パキスタンに関する国際コンタクト・グループ(ICG)会合
- 2009年2月にオバマ米大統領がホルブルック元国務次官補・国連大使をアフガニスタン・パキスタン担当特別代表(SRAP)に任命したことに伴い,主要国がSRAPを任命(我が国の現在のSRAPは上村司中東アフリカ局長が兼任)。
- 同年4月以降,アフガニスタンと地域の平和と安定に向けた国際社会の政治的協調の場として,SRAPを中心としたICG会合が定期的に開催されている(現在は年3回程度開催。)。ICG会合の議長は,コッホ独SRAP 。
- 今回のICG会合は第21回目。東京開催は,2009年4月の第2回会合以来の2回目。
【参考2】相互責任に関する東京フレームワーク(TMAF)
- 2012年7月8日,日・アフガニスタン共催で開催。カルザイ・アフガン大統領,潘基文国連事務総長,クリントン米国務長官の他,英・仏・独・インド・イランなどから多数の閣僚が参加(55か国及び25機関が参加)。
- アフガニスタンが自らの開発戦略やガバナンス改善への取組にコミットし,国際社会はそれに応え2015年まで160億ドルを超える規模の支援を約束し,さらに,定期的な進捗のフォローアップを行うことを確認する「相互責任に関する東京フレームワーク」を構築。