報道発表
ジブチに対する無償資金協力「海上保安能力向上のための巡視艇建造計画」に関する書簡の交換
1 3月30日(現地時間同日),ジブチ共和国の首都ジブチにおいて,我が方西岡淳駐ジブチ大使と先方マハムッド・アリ・ユスフ外務・国際協力大臣兼政府スポークスマン(His Excellency Mr. Mahmoud Ali Youssouf, Minister for Foreign Affairs and International Cooperation of Republic of Djibouti, Spokesman of Government)との間で,9億2,400万円を供与限度額とする無償資金協力「海上保安能力向上のための巡視艇建造計画」に関する書簡の交換が行われました。(案件位置図(PDF))
2 この協力は,ジブチ沿岸の安全を確保するために,ジブチ沿岸警備隊の能力拡充に必要な機材を供与するものです。ソマリア沖・アデン湾は,年間約18,000隻の船舶商船(うち約1,700隻が日本関係船舶)が通航する海上交通の大動脈で,同海域では,1990年代初期にソマリア内戦が始まった頃から海賊や武装強盗事件が目立つようになり,日本を始め国際社会にとって大きな脅威となっています。また,同海域では,海賊・武装強盗事件にとどまらず,不法移民等の密航や密貿易,沿岸漁業に打撃を与える密漁,海難事故,廃棄物の海洋投棄などの海上での違法行為が多岐にわたり,同国の問題となっています。
3 ジブチ政府は,2011年に海軍から独立して沿岸警備隊を設立し,上述の問題の対処に取り組んでいるものの,沿岸警備活動に必要となる巡視艇等が十分に整備されておらず,機動力の強化が課題となっています。今回の協力により,ジブチ沿岸警備隊の機動力拡充(機動領域の拡大,出動体制の強化等)を図り,ジブチ沿岸の安全確保に寄与することが期待されます。
(参考)
ジブチは,面積2万3,200平方キロメートル,人口90万人(2012年,UNFPA),人口1人当たりのGNI(国民総所得)1,270米ドル(2010年,世銀)。