報道発表

日フィンランド外相会談(概要)

平成25年10月18日

 本18日午後4時45分から約30分間,岸田文雄外務大臣は,フィンランドのエルッキ・トゥオミオヤ外相(Dr. Erkki Tuomioja, Minister for Foreign Affairs of the Republic of Finland)と会談しました。その概要は以下のとおりです。

1 冒頭発言

(1)岸田大臣から,7月に日本航空のヘルシンキ直行便が就航し,海上自衛隊の遠洋練習艦隊が初めてヘルシンキに寄港したこと等に触れつつ,ITや教育を得意分野とするフィンランドは,日本が成長戦略の実現を目指す上で大いに学ぶべき国であり,様々な分野における対話と協調を進めたい旨を述べました。

(2)これに対してトゥオミオヤ外相は,地理的な距離にもかかわらず,両国は非常に近い関係にある,様々な分野で両国間の交流が深まっていることは大変喜ばしく,引き続きこうした関係の強化に努めたい旨述べました。

2 二国間関係及び北欧・バルト諸国との関係

(1)岸田大臣から,以下の点に言及しました。

ア 北極及びロシア:北極が直面する機会と課題がいっそう増大し,世界の注目を浴びる中,オブザーバーとして,ACや北極圏諸国との協力に一層取り組んでいきたい。またロシア市場へのゲートウェイであるフィンランドと企業間の協力を進めたい。
イ 北欧・バルト諸国との協力:日本は今後,北欧・バルト地域を全体として捉え,各国との個別の関係に加えて,地域全体との協力関係を構築していきたい。できるだけ早く,政治レベルと事務レベルの双方で,今後の協力の方向性,重点分野について議論したい。

(2)以上に対し,トゥオミオヤ外相から,(ア)北極評議会における日本のオブザーバー・ステータスを歓迎する,日本とは様々な分野で協力できると確信している,(イ)フィンランドは様々な紛争において和平の仲介役を務めてきた実績があり,国際社会による和平調停活動は重要である旨述べました。また,北欧・バルト諸国全体との協力関係を構築しようとする日本の方針についても,歓迎の意が示されました。

3 武器貿易条約(ATT)における協力>

(1)トゥオミオヤ外相より,国連総会の際に「ATTに関するハイレベル会合」が開催されたとして,ATTの原提案国である日本の貢献に対する謝意の表明がありました。

(2)これに対し岸田大臣より,国連総会の際の同会合において各国代表がATTの早期発行を呼びかけたことは有意義であった,その実効性向上のために引き続きフィンランドと協力していきたい旨述べました。

4 両外相は,中国や北朝鮮といった東アジア情勢や対ロシア政策についても意見交換を行いました。


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