報道発表
齋木外務事務次官から程永華駐日中国大使への抗議
1.(1)本10日午後5時頃,齋木昭隆外務事務次官は,程永華(てい・えいか)駐日中国大使を外務省へ召致し,岸田文雄外務大臣の指示に基づくとして,中国公船8隻が尖閣諸島周辺領海に侵入していることについて厳重に抗議するとともに,全船が即刻退去することを強く求めました。
(2)齋木外務次官からは,本日,中国側のメディアが日中関係に関する客観的でない論評を掲載するなどして,双方の国民感情を殊更に煽り立てるかのような対応を行っていることにも言及しつつ,尖閣諸島沖における中国公船による執拗な挑発的行為は,日中関係改善の努力に背いているとして,これを直ちに中止するよう求めました。
(3)また,齋木外務次官からは,中国側は,現下の日中関係をめぐる状況を招いた責任が,昨年の日本政府による尖閣諸島の取得・保有にある旨主張しているが,これは全く事実に反している,現在に至る尖閣諸島をめぐる一連の状況は中国公船の意図的な挑発的行為に根本的な原因があると指摘しました。
(4)最後に,齋木外務次官からは,日本政府は,我が国固有の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意である旨を改めて表明すると同時に,日中関係は我が国にとって最も重要な二国間関係の一つであり,また,日中両国が地域及び国際社会の平和,安定,発展に重要な責任を負っているとの認識に揺らぎはないことも改めて伝達し,中国側においても,大所高所に立って物事を考え,個別の問題があっても両国関係全般に影響を及ぼさないとの「戦略的互恵関係」の基本的考え方にのっとり,日中関係を進めていくために努力するよう求めました。
(5)また,この機会に,齋木外務次官からは,昨日,東シナ海に飛来した中国軍固定翼機(H-6)及び国籍不明の無人機についても,我が国としての関心を表明するとともに,我が国固有の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの日本政府の決意を改めて繰り返しました。
2.これに対し程永華大使が,尖閣諸島に関する中国独自の立場を述べたので,齋木外務次官からは,同諸島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であること,中国側の独自の言動には一貫性がなく,何ら国際法上の根拠もないことを改めて指摘し,本日のやり取りを正確に本国に報告するよう求めました。