報道発表

日米外相会談

令和3年3月16日
日米外相会談1
日米外相会談2
3月16日13時30分頃から約90分間、茂木敏充外務大臣は、訪日中のアントニー・ブリンケン米国国務長官(The Honorable Antony Blinken, Secretary of State of the United States)と外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭、茂木外務大臣は、ブリンケン国務長官が国務長官就任後初の外遊先として日本を訪問したことを心から歓迎し、ブリンケン国務長官と共に日米同盟の揺るぎない絆を一層強固なものにしたい旨述べました。これに対し、ブリンケン国務長官は、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎である日米同盟を共に強化していきたい旨述べました。

2 両外相は、先日の日米豪印外相電話会談に続き、先日、初の日米豪印首脳テレビ会議が成功裏に開催されたことを歓迎しました。また、両外相は、引き続き日米が主導して、豪州、インドやASEAN等と連携しつつ、「自由で開かれたインド太平洋」という構想の実現に向けた協力を強化していくことを改めて確認しました。

3 さらに、両外相は、中国、北朝鮮、韓国、ミャンマーやイラン等の地域情勢について意見交換を行いました。

(1)中国については、中国海警法を含む東シナ海、南シナ海における中国による一方的な現状変更の試みに強く反対し、深刻な懸念を共有するとともに、同志国を含め緊密に連携していくことで一致しました。また、香港の選挙制度に関する全人代の決定について共に重大な懸念を示し、新疆ウイグル自治区に関する人権状況についても共に深刻な懸念を示しました。更に、こうしたことを日米を始め価値観を共有する国がしっかりと声を上げていくことが重要であるとの点で一致しました。経済面でも、市場歪曲的な補助金や知的財産等を含め、中国をめぐる諸課題への対応の必要性を確認しました。

(2)北朝鮮については、両外相は安保理決議に沿って、北朝鮮の完全な非核化が実現するよう、日米で緊密に連携していくことで一致しました。また、茂木大臣から、拉致問題の即時の解決に向けて引き続きの理解と協力を求め、ブリンケン国務長官から支持を得ました。さらに両外相は、日米韓の緊密な連携の重要性を改めて確認しました。

(3)ミャンマーについては、ミャンマー各地のデモにおいて、治安当局の実力行使によって多数の民間人が死傷している状況を強く懸念するとの認識で一致し、民間人に対する暴力の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復をミャンマー国軍に対し引き続き強く求めていく方針を確認しました。

(4)イランについては、茂木大臣から、中東地域における緊張緩和と情勢の安定化に向けて日本としても外交努力を継続していく旨を述べ、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

4 両外相は、コロナ対策や気候変動問題といった国際社会共通の課題についても意見交換を行いました。気候変動問題に関し、両外相は、4月22日の気候サミット、COP26及びその先に向けて二国間の協力を強化することで一致しました。また、新型コロナの克服に向け、日米のグローバルヘルス分野における緊密な協力を踏まえ、COVAXファシリティによる途上国へのワクチンの公平なアクセスの確保が重要であり、協力していくことを確認したほか、ASEANを始めとするインド太平洋地域に対する国際保健分野における協力・支援の重要性を確認しました。さらに、サプライチェーンに関し、強靱で多角化された安全なサプライチェーンの構築に向けて、日米間で緊密に議論を行うことを確認しました。

5 両外相は、サイバーの脅威に関する協力・情報共有や、サイバー空間における責任ある行動に反する重大かつ悪意あるサイバー活動に関与する国を追及するための連携を強化するために、日米サイバー対話を強化することとしました。また、サイバーセキュリティ分野において、インド太平洋地域の国々と共に能力構築のための協力を強化するとともに、同志国と連携してサイバー空間における国家の責任ある行動を推進することを確認しました。

6 ブリンケン国務長官は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた日本の決意を支持し、両外相は、東京大会の成功に向け今後とも緊密に協力していくことで一致しました。また、茂木大臣から、2025年の大阪・関西万博への米国の参加に期待を表明しました。

7 両外相は、新型コロナ感染症の状況を見極めつつ、できる限り早い時期に茂木大臣が訪米し、外相会談を行うことで一致しました。

報道発表へ戻る