報道発表

第6回日英外相戦略対話(結果)

平成29年7月21日
第6回日英外相戦略対話1
第6回日英外相戦略対話2
第6回日英外相戦略対話3
本21日,午前11時40分から約75分間,岸田文雄外務大臣は,訪日中のボリス・ジョンソン英国外務・英連邦大臣(The Rt Hon Boris Johnson MP, Secretary of State for Foreign and Commonwealth Affairs of the United Kingdom)と協議形式及びワーキング・ランチ形式で第6回日英外相戦略対話を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭
(1) 岸田大臣から,日英は基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーであり,北朝鮮の核・ミサイル開発や東シナ海及び南シナ海情勢など,ルールに基づく国際秩序が様々な形で挑戦を受ける中で,自由で開かれた国際社会を維持すべく,日英で連携して指導力を発揮していきたい旨述べました。
(2) これに対しジョンソン大臣からは,日英は価値を共有しており,ルールに基づく国際システムの維持のため緊密に連携していきたい,英国がEU離脱を決定した後も日本企業による対英投資が続いていることを嬉しく思う,EU離脱後も日本との関係を一層深化させていきたい旨述べました。

2 二国間関係
(1)両大臣は,本年5月の日英仏米4か国での共同訓練の実施を高く評価しました。岸田大臣からは,安保・防衛協力の推進を下支えする日英物品役務相互提供協定(日英ACSA)の両国国会による承認を歓迎し,早期に発効させたい旨述べました。
(2)途上国の能力構築支援について,両大臣は,最近アンゴラでの地雷除去やセネガルでの「紛争下の性的暴力防止」分野での日英連携が実現したことを歓迎し,引き続きこうした連携を推進していくことで一致しました。
(3)両大臣は,東京オリンピック・パラリンピックも見据え,サイバーセキュリティ分野における日英協力を推進していくことを確認しました。

3 日欧関係
(1)両大臣は,日EU経済連携協定(EPA)の大枠合意は,自由貿易の旗を高く掲げ続けるとの日本とEUによる世界に対する大きなメッセージであり,同協定の早期発効に向けて協力していくことを確認しました。
(2)英国のEU離脱に関し,岸田大臣からは,日本は強い欧州を支持しており,EU離脱後も国際社会の平和と安定のため,英国を含む結束した欧州と協力を強化したい,離脱による企業への影響を最小化するよう,透明性及び予見可能性に配慮願いたい旨述べました。
(3)これに対しジョンソン大臣からは,英国はEUを離脱しても欧州を去るわけではなく,引き続きEUとの緊密な協力関係を維持していく,また,日系企業の懸念に英国は耳を傾け配慮していく,離脱交渉に対する日本からの提言を評価している旨を述べました。

4 地域情勢
(1)北朝鮮に関し,両大臣は,7月4日の北朝鮮による弾道ミサイル発射も踏まえ,今は対話ではなく,北朝鮮への圧力強化が必要であること,中国の役割が重要であることを確認しました。さらに,岸田大臣から,拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め,ジョンソン大臣の支持を得ました。
(2)東シナ海・南シナ海情勢について,両大臣は法の支配に基づく国際秩序の維持のため,引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
(3)この他,ロシア,東アジア,中東情勢について意見交換を行いました。

[参考1]アンゴラにおける地雷除去に関する日英連携
日英両国は,NGO「ヘイロー・トラスト」によるアンゴラのウアンボ州での地雷除去事業に対し,必要な資金協力を共に実施。我が国は,同事業に必要な人件費及び機材費等のため,本年3月に草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて55万米ドルを支援。一方英国は,本年6月,今般同事業に5万ポンドの支援の実施を決定。
 
[参考2]セネガルでの「紛争下の性的暴力防止」分野での日英連携
2016年11月から2017年5月まで,英国はセネガルの国連平和維持活動(PKO)要員に対し「紛争下の性的暴力防止(PSVI)」に関する研修を実施。日本はこれと並行し,性的被害犠牲者の医療アクセス改善のため,医療機材,救急車をセネガル政府に供与(100万ユーロ)。

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