報道発表

アンティグア・バーブーダに対する無償資金協力に関する書簡の交換

平成27年6月12日
1.  本12日(現地時間11日),アンティグア・バーブーダの首都セントジョンズで実施された同国との二国間会談の冒頭,宇都隆史外務大臣政務官立ち会いの下,我が方手塚義雅駐アンティグア・バーブーダ大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と先方ガストン・ブラウン首相(The Hon. Gaston Browne, Prime Minister)との間で,以下2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
(1) 我が国の防災機材を活用した無償資金協力「経済社会開発計画」
(2) 水産無償資金協力「水産関連機材整備計画」
 
2.  我が国は,2014年7月に開催された日・カリブ共同体(カリコム)首脳会合及び同年11月に開催された第4回日・カリコム外相会合において,我が国の対カリコム政策の第一の柱として「小島嶼開発途上国特有の脆弱性克服を含む持続的発展に向けた協力」を掲げ,我が国の技術や知見を活かし,防災,環境・気候変動,エネルギー,廃棄物処理,水産等の分野においてカリコム諸国への支援を継続していくことなどを表明しています。今回の2件の無償資金協力は,このような対カリコム諸国支援の一環として行われるものです。
また,今回の2件の無償資金協力は,我が国の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものでもあります。我が国としては,全ての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,アンティグア・バーブーダと引き続き気候変動分野で連携していきます。
 
3.  各案件の概要はそれぞれ以下のとおりです。
(1) 我が国の防災機材を活用した無償資金協力「経済社会開発計画」(The Economic and Social Development Programme)(供与額1億円)
アンティグア・バーブーダでは,外部経済の動向,気候変動・自然災害の影響を受けやすいという小島嶼開発途上国特有の脆弱性への対処が大きな課題となっており,特に,度重なるハリケーンによる被害は深刻です。
今回の協力は,自然災害による被害緩和に取り組むアンティグア・バーブーダに対し,我が国で生産される防災分野の機材・製品等を供与するものです。これにより,同国の経済社会開発を支援するのみならず,それらの機材・製品等に対する認知度の向上を図り,継続的な需要を創出し,日本経済の活性化に貢献することが期待されます。 
 
(2) 「水産関連機材整備計画」(The Project for Improvement of Fishery Equipment and Machinery in Antigua and Barbuda)(供与限度額5億8,400万円。案件位置図(PDF)
国内総生産(GDP)の約60%を観光産業が占めるアンティグア・バーブーダ政府は,産業の多様化を目指しており,自国資源を有効活用した水産業の開発が期待されています。しかしながら,同国の水産関連施設では冷却設備等の機材が老朽化し,鮮度劣化等による流通上の損失が生じています。
 今回の協力は,アンティグア・バーブーダ国内の水産センター(ポイントワーフ,マーケットワーフ,パーラム及びアーリング)において,過去に我が国が供与した水産関連機材や設備の一部を更新・拡張することで,水産関連施設の機能を回復させ,水揚量の増加や水産物流の円滑化を図るものです。また,監視レーダー,VHF無線システム及び多目的船を供与し,漁場としての浮漁礁を設置することで,漁業管理の促進を図り,同国の水産業の持続的発展に貢献します。さらに,エネルギー効率の良い機材及び冷媒を導入することにより,省エネを通じた温室効果ガス排出削減への貢献も期待されます。
 
(参考) 
 アンティグア・バーブーダは,カリブ海東部の小アンティル諸島に位置する,面積約442km2(種子島とほぼ同じ),人口約8.96万人(2013年,世界銀行)の小島嶼国。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は12,900米ドル(2013年,世界銀行)。

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