報道発表
インドネシア共和国向け円借款2件に関する交換公文の署名
(ジャカルタ首都圏のアクセス道路整備や日本企業による都市高速鉄道整備により物流効率化や交通渋滞の緩和に貢献)
令和5年3月31日
3月31日(現地時間同日)、インドネシア共和国の首都ジャカルタにおいて、田村政美在インドネシア日本国大使館公使と、アブドゥル・カディール・ジャイラニ・インドネシア共和国外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長(Mr. Abdul Kadir Jailani, Director General of Asia-Pacific and African Affairs Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Indonesia)との間で、西ジャワ州に位置する円借款(注)で整備中のパティンバン港及びその周辺地域と既設の高速道路との間のアクセス道路整備並びにジャカルタ首都圏における都市高速鉄道システム建設に係る支援を実施するための総額1,300億3,800万円を限度とする円借款(注)2件に関する交換公文の署名が行われました。
(注)円借款: 開発途上国に対してインフラ等の建設資金として必要な資金を緩やかな条件(低い金利や長い返済期間)で貸し付ける協力。開発途上国にとっては、日本への返済を前提とした資金なので、効果的な活用や自立的発展に繋がることが期待される。
なお、「ジャカルタ都市高速鉄道計画(フェーズ2)(第二期)」には本邦技術活用条件(STEP)が適用され、省エネルギー効果の高い車両等に日本の技術が活用される予定です。
- 対象案件の概要
- (1)パティンバン有料アクセス道路建設計画(421億2,000万円)
経済成長が著しいインドネシア・ジャカルタ首都圏では、既存の国際港がひっ迫しており、ジャカルタ首都圏の物流を効率化するため、円借款を通じてパティンバン港を整備中です。令和3年12月から日本企業が出資する現地企業による自動車ターミナルの運営が開始されていますが、既存の国道の路面状態や混雑等が課題となっており、アクセス道路の整備が重要です。
この計画は、円借款で、整備中のパティンバン港と既存の高速道路との間にアクセス道路を整備するために、インドネシア政府に資金を融資するものです。この計画の実施により、インドネシアの道路交通需要の増大に対する交通インフラネットワークの改善を図り、我が国が、官民両面での協力を進めるパティンバン港の機能を十分に発揮させ、もって地域間の連結性強化及び同地域の経済活性化に寄与することが期待されます。 - (2)ジャカルタ都市高速鉄道計画(フェーズ2)(第二期)(879億1,800万円)
インドネシア・ジャカルタ首都特別州では、近年の急激な経済成長と隣接県を含めた人口増加に伴い、深刻な交通混雑による経済的損失及び排気ガスによる大気汚染が大きな課題になっています。
この計画は、ジャカルタ首都圏において現在建設が進んでいる都市高速鉄道(MRT)南北線の延伸部分を建設するために、インドネシア政府に資金を融資するものです。この計画の実施により、増加するジャカルタ首都圏の輸送需要への対応と自動車交通から公共輸送への移行を図り、もって、同首都圏の交通混雑の緩和、投資環境の改善、環境負荷の軽減に寄与することが期待されます。平成29年11月に第一期として円借款を供与(供与限度額700億2,100万円)しており、今回は、同システム建設の進展に合わせた第二期借款として、同システムの整備を継続的に支援するものです。
- 供与条件
- (1)パティンバン有料アクセス道路建設計画
金利:1.05%(コンサルタント部分は年0.01%。)
償還期間:15年(5年の据置期間を含む。)
調達条件:アンタイド - (2)ジャカルタ都市高速鉄道計画(フェーズ2)(第二期)
金利:0.1%(コンサルタント部分は年0.01%。)
償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
調達条件:日本タイド
(参考)インドネシア共和国基礎データ
インドネシア共和国は、面積約192万平方キロメートル(日本の約5倍)、人口約2.8億人(2021年、インドネシア政府統計)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)は4,140米ドル(2021年、世界銀行)。