報道発表

パキスタンに対する無償資金協力「人材育成奨学計画」及び
「ムルタン市気象レーダー整備計画」に関する書簡の交換

平成30年8月31日

    1.  本31日(現地時間同日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードおいて,中根一幸外務副大臣とアサド・ウマル・パキスタン・イスラム共和国財務大臣(Mr. Asad Umar, The Minister for Finance, Revenue and Economic Affairs)の立ち会いの下,我が方倉井高志駐パキスタン大使と先方アーマド・ハニフ・オラクザイ・パキスタン財務・歳入・経済省経済担当次官補(Mr. Ahmad Hanif Orakzai, Additional Secretary to the Government of the Islamic Republic of Pakistan, Ministry of Finance, Revenue and Economic Affairs, Economic affairs Division)との間で,無償資金協力「人材育成奨学計画」(供与限度額3億2,800万円)及び「ムルタン市気象レーダー整備計画」(供与限度額20億4,200万円)に関する書簡の交換が行われました。
    2.  各案件の概要は,それぞれ以下のとおりです。
      (1)「人材育成奨学計画」
       この計画は,パキスタンの若手行政官等が,我が国で学位(修士又は博士)を取得するために必要な学費等を供与するものです。
       世界第6位の人口を有するパキスタンは,アジアと中東の接点に位置するという地政学的重要性を有し,また,テロ撲滅に向けた国際社会の取組において大きな役割を担っています。同国の安定的かつ持続的な社会の構築が,周辺地域のみならず,国際社会全体の平和と安定にとって重要です。現在,同国は国家開発戦略「ビジョン2025」の下で「ガバナンスと制度上の改革,及び,公的部門の近代化」を優先分野として社会経済開発に取り組んでおり,我が国が同計画を通じてパキスタンの開発政策の立案・実施に携わる人材の育成を支援し,同国の取組を後押しすることは外交的に高い意義を有することから,今般新規にパキスタンへの「人材育成奨学計画」を実施するものです。
       この協力により,最大で修士課程18名及び博士課程2名のパキスタンの行政官等が自国の開発や発展に必要な各分野の専門的知識を日本で習得し,帰国後,同国政府の政策立案等に貢献することが期待されます。また,日・パキスタン間の相互理解及び友好関係の強化に加え,国際的な知的ネットワークの強化に寄与する人材の育成につながることが期待されます。
      (2)「ムルタン市気象レーダー整備計画」
       この計画は,パキスタンのパンジャブ州ムルタン市に気象レーダーシステムを整備することにより,同国の災害を引き起こす気象現象の監視能力の強化及び気象・洪水情報や予警報の精度向上を図るものです。
       パキスタンは自然災害の常襲国です。その地形的特徴から一度大雨が降ると,洪水,鉄砲水や地滑り等の災害が発生しやすい状況にあり,頻発する自然災害は同国民の尊い生命や財産を脅かし,社会経済発展の停滞を招く要因となっています。そのため,モンスーン期に集中豪雨をもたらす雨雲の進入路や豪雨等に関するパキスタン気象局の観測能力や予警報精度を向上させ,自然災害の危険を事前予測し,また,予警報を適時に適所へより迅速に配信することが強く求められています。
       この協力により,2017年時点で既設の地上観測所により,1時間間隔で平均74.6kmメッシュ(注)の降水データを観測している状態から,2025年には,気象レーダーサイトから半径300-400km内において,10分間隔で1kmメッシュの精度で観測可能となり,観測密度が向上するとともに,正確な気象情報の提供が可能になり,災害軽減策の実施促進,二次災害防止につながることが期待されます。

     (注)メッシュ:観測対象地域を正方形に区切った観測の最小単位。観測機器の性能が良いほどメッシュは小さくなる。

     [参考]
     パキスタン・イスラム共和国は,面積79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ),人口約1.93億人(2016年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は1,510ドル(2016年,世界銀行)。


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