報道発表

第2回イラク国民融和セミナー参加者一行の高村外務大臣表敬について

平成20年3月27日

 3月27日(木曜日)17時40分から約40分間、第2回イラク国民融和セミナーに参加した各宗派・民族の政党党首・代表及び国民議会議員等11名は、高村大臣を表敬したところ、概要以下のとおり。

1. 高村大臣より以下のとおり述べた。

 困難な状況下、はるばるお越し頂いたイラク国会議員等の皆様の訪日を心から歓迎する。今次滞在では、広島・京都訪問、各分野の専門家との意見交換に加え、参加者間で連邦制、憲法修正、石油・ガス法等現下の貴国の課題についても活発に議論されたと聞いている。日本における経験をイラクの安定と復興に役立てて頂きたい。

2. イラク側参加者一行を代表して、アラ・アル・タラバーニー議員(クルド)より以下のとおり述べた。

(1) イラクが重要で新たな時代を迎える中、日本のイラク復興、政治安定、治安回復、国民融和の分野における支援に感謝するとともに高く評価している。今次滞在では、日本の戦後復興の経験や各国の平和構築の経験を学ぶことができた。この経験をイラクの復興に役立てたい。

(2) 日本の企業のイラク進出を期待している。投資法は既に成立している。今後、石油・ガス法案を必ず整備したい。

3. その後、各参加者からポイント以下のとおりの発言があった。

(1) 国民融和はイラク人にとって最重要課題。国民融和達成には強い意思が必要であるが努力したい。暴力や復讐の連鎖に流されてはいけない。

(2) イラクにおける現在の対立は、宗派・民族対立ではなく政治対立である。我々は主張するだけでなく、妥協も必要である。政治的な解決が必要である。

(3) イラク政府・国民は国民融和に真剣に取り組んでいる。先般も非バアス化法案が成立した。これまで政治対話に参加してこなかった勢力も取り込む努力をしている。

(4) 周辺諸国がイラクの内政に干渉しないことが重要である。イラクの国民融和はイラク人で解決すべき問題である。

4. 最後に、高村大臣より以下のとおり述べた。
 各参加者から国民融和促進に向けた強い熱意を伺い、イラクの将来にますます期待がもてると感じた。イラクの問題を解決出来るのは、イラク人自身である。もちろん、日本もその努力に支援を惜しまないが頑張って頂きたい。

【参考】

(1) 期間:平成20年3月20日から28日

(2) 参加者:シーア派、スンニー派政党党首・代表、国民議会議員等有力者11名(シーア派5名、スンニー派4名、クルド人2名)

(3) 内容:平和構築等各分野の専門家による講義。イラク人参加者間で連邦制、地方自治、憲法修正、石油・ガス法案等、現下のイラクの課題を集中的に議論。地方視察として広島、京都を訪問。さらに、我が国政府要人、国会議員、経済関係者との意見交換を行った。

(4) 訪日中の議論を踏まえ、イラク側参加者から最終声明が発出された。

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