
人間の安全保障基金「チェルノブイリ事故被災地域におけるICRIN(チェルノブイリ研究情報国際ネットワーク)を通じたコミュニティと住民の人間の安全保障促進」への支援について
平成20年11月18日
- 日本政府及び国連は、11月18日(火曜日)、国連開発計画(UNDP)、国際原子力機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)及び国連児童基金(UNICEF)がウクライナ、ベラルーシ共和国及びロシア連邦で実施する「チェルノブイリ事故被災地域におけるICRIN(チェルノブイリ研究情報国際ネットワーク)を通じたコミュニティと住民の人間の安全保障促進」に対し、人間の安全保障基金を通じて261万478.20ドル(約2億9,498万円)の支援を行うことを決定しました。
- 1986年4月のチェルノブイリ事故のあと、健康や環境への影響に関する情報は公的に、あるいはメディアを通じて発信されてきましたが、不定期、難解、相互矛盾という問題を抱えており、人々は情報に対して懐疑的になり、放射線に関する衛生・安全上の勧告に従わなくなってしまった。本事業は、被災地の人々のニーズに合った情報の提供により社会的及び精神的困難の解消を図るもので、主な活動は以下のとおりです。
(1)被災地域のニーズ調査を実施し、人々のニーズに適う実用的で信頼できる情報データベースを設立し、インターネットを通じて配信します。
(2)コミュニティ・ベースの情報発信キャンペーンを通じて、地元の利害関係者に対し新たに提供された情報を実際の生活で活用するための訓練を行います。
(3)インターネット上の情報及び教材へのアクセスを改善するために、情報アクセス・ポイントを15カ所に開設します。
(4)より健康的で安全な生活習慣を普及させるための訓練及びワークショップの開催を通じて、地元の当局関係者、報道関係者、教員、医療従事者、放射線技師、NGOなどの能力を強化します。
(5)健康、環境及び社会経済の回復を目指すコミュニティ主導の小規模な事業の実施を支援します。
- 本プロジェクトの実施により、情報の欠如及び被災地の行動様式や理解の改善が期待されます。
(参考) 人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約373億円(約3億3,043万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の190件のプロジェクトを支援してきている。