
日・ポーランド外相会談について
平成20年10月1日
- 10月1日(水曜日)午後7時より午後9時30分まで、中曽根外務大臣は、訪日中のシコルスキ・ポーランド共和国外務大臣と飯倉公館において会談及び夕食会を行い、二国間関係及び国際情勢につき意見交換を行った。また、会談終了後、今後の二国間関係の発展をうたう共同プレスステートメントを発出した。
- 会談の冒頭、中曽根外相より、パキスタンで発生したポーランド人技術者誘拐事件につき触れ、一刻も早い解放を望んでいる旨述べ、シコルスキ外相より謝意を表明した。
- 両外相は、中曽根外相の本年7月の参議院日・ポーランド友好議連会長としてのポーランド訪問など、両国間の活発な要人往来を歓迎すると共に、2009年の日・ポーランド国交樹立90周年及び2010年のショパン生誕200周年の機会に、様々な分野において、二国間関係の一層の発展を図ることで一致した。
- 両外相は、投資を中心とする緊密な経済関係、科学技術協力、日本文化発信ボランティアの派遣を含む文化関係、第三国に対する開発協力、V4+1(注)協力等について意見交換を行い、これらの分野での関係強化や協力の進展に向け努力していくことで一致した。
(注) 中欧4カ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア)と日本との協力・対話の枠組。
- 両外相は、気候変動問題に関し、主要経済国が責任ある形で参加する2013年以降の実効性のある国際的な枠組みの構築に向けて協力していくことなどを確認した。また両外相は、共同実施(JI)及びグリーン投資スキーム(GIS)における協力に関する共同声明の採択に向けた交渉の進展に努力することを確認した。
- 両外相は、国連における緊密な協力への期待を表明した。シコルスキ外相は、日本の安保理常任理事国入りに対する力強い支持を表明した。
- 両外相は、アジア情勢及び欧州情勢等の双方が関心を有する国際・地域情勢につき意見を交換した。
北朝鮮情勢に関し、中曽根外相より、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を実現する、という我が国の方針を包括的に説明した。シコルスキ外相より、日本の立場への理解と支持を表明した。
アフガニスタン情勢に関し、中曽根外相より、補給支援活動や復興支援等、日本政府のこれまでの取り組みを説明し、これら活動の継続などに向け最大限努力していくとの方針を説明した。シコルスキ外相より、アフガニスタンでの失敗は許されない、ポーランドもアフガニスタンの治安改善、復興支援等に引き続き取り組むと述べるとともに、これまでの日本政府の活動に強い印象と感銘を受けているとして日本政府の取り組みを評価する発言があった。
グルジア情勢に関し、両外相は、同問題が国際的に認められている領土保全原則に基づいて平和的に解決されるべきであることを確認した。