欧州(NIS諸国を含む)

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日本・ポーランド共同プレス・ステートメント(仮訳)

平成20年10月1日

骨子)(英文

  1. 中曽根弘文外務大臣とラドスワフ・シコルスキ・ポーランド共和国外相は、シコルスキ外相が日本国政府の招待により、2008年10月1日から5日までの日程で訪日した際の10月1日、外相会談を行い、二国間関係及び相互に関心を有する国際問題を含む幅広い議題につき意見交換を行った。10月2日、皇太子殿下は、シコルスキ外相を御接見になる。
  2. 双方は、2003年8月に小泉総理(当時)がポーランド共和国を訪問した際に発出された「日本国とポーランド共和国の戦略的パートナーシップに向けた共同声明」、2006年5月及び2007年5月の日・ポーランド外相会談を想起しつつ、両国関係のこれまでの成果を振り返り、今後の方向性について意見を交換した。
  3. 双方は、両国が2007年の日・ポーランド国交回復50周年を成功裏に祝した事実を振り返りつつ、2009年の日・ポーランド国交樹立90周年及び2010年のショパン生誕200周年において、伝統的に友好な両国関係を多くの分野で更に発展させていくことで認識を共有した。双方は、両国民の相互理解を深めるため、様々な分野において交流を拡大する意志を確認した。
  4. 双方は、両国が、政務協議、防衛交流、科学技術、文化、開発協力及び外交官交流等の様々な分野において交流を活発に行っている現状を確認し、かかる交流を更に発展させていくことで認識を共有した。双方は、次回の二国間政務協議を可能な限り早い時期に開催することを決定し、気候変動問題に対処する手段として省エネルギー及びクリーン・エネルギー等の分野において協力する意思を強調した。
  5. 双方は、投資、貿易分野における緊密な両国関係を歓迎した。ポーランド側は、ポーランド共和国における多くの日系企業の活動を評価し、特に研究開発分野といった日系企業にとっての新たな機会を念頭に、ビジネス関係が更に強化されるよう期待を表明した。日本側は、ポーランド側によるビジネス環境の改善努力を認識し、2003年に発出された「日本国とポーランド共和国の戦略的パートナーシップに向けた共同声明」を想起しつつ、この点におけるポーランド側の更なる努力の必要性を強調した。ポーランド側は、ポーランドの農産品及び他の産品の日本への輸出が二国間貿易関係の活性化に貢献し得ることを強調した。
  6. 日本側は、ポーランド側が、自己の市場経済に向けた体制移行の経験を基に、開発協力分野において積極的に貢献に努めていることを高く評価した。双方は、日本のODAによって設立、発展したポーランド日本情報工科大学及びポーランド・日本省エネルギーセンターを通じて実施された両国間の第三国に対する開発協力(三角協力)を評価するとともに、両国が、これらの既存施設を有効活用しつつ、ウクライナ等の第三国に対する当該分野における具体的な協力の可能性を模索する意思を確認した。双方は、また、アフガニスタン等の共通の関心を有する諸国においても、可能な協力を追求することに期待を表明した。
  7. 双方は、日本文化発信ボランティア・プログラムに関する交換公文の交渉における最近の進展を満足をもって歓迎すると共に、本プログラムによるボランティアの活動を通じて、ポーランド共和国における日本語の普及及び二国間の文化交流が更に促進されることに対する期待を表明した。
  8. 気候変動問題に関し、ポーランド側は、G8北海道洞爺湖サミット及び主要経済国首脳会合の成果、及び日本のイニシアチブである「クールアース50」及び「クールアース推進構想」を高く評価した。日本側は、ポーランド側の温室効果ガスの排出削減の成果を高く評価した。双方は、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量の少なくとも50%削減を達成することが重要との認識を共有しつつ、全ての主要経済国が責任ある形で参加する2013年以降の実効性ある国際的な枠組みの構築に向けて協力していくことを再確認した。双方は、積み上げ方式のセクター別アプローチは、集計されたセクター別の削減量に基づいて技術的に可能な国別の緩和ポテンシャルを特定するために有用であり、緩和の潜在的費用及び各国の資金的能力を考慮に入れたアプローチと組み合わせることによって、費用効率的で公正かつ衡平な目標を設定するために建設的に貢献することを再確認した。双方は、経済の発展段階、国別の適切な緩和行動実施能力、気候変動の悪影響への対応能力及び世界における排出シェア等の指標に基づく適切な分類の下で非附属書I国を差異化し、非附属書I国による緩和行動の具体的な内容を検討する必要があるとの認識を共有した。双方は、2008年12月にポーランド共和国ポズナンで開催される気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)及び京都議定書第4回締約国会合(COP/MOP4)を成功させるために緊密に協力していくことを確認し、同時に、アジア欧州会合(ASEM)の枠組みにおいて、気候変動に関する事項別リーダーシップを通して、対話を促進する意思を表明した。
    双方は、共同実施(JI)及びグリーン投資スキーム(GIS)のための協力に関する共同声明の署名に向けた交渉の進展に努力することを確認すると共に、両国が、同分野において具体的な協力を行うことに対する期待を表明した。
  9. 双方は、国連諸機関における緊密な協力への期待を表明した。双方は、国際連合安全保障理事会の常任及び非常任双方の議席の拡大を含む国際連合安全保障理事会改革の早期実現のため共に積極的に取り組んでいく決意を表明した。ポーランド側は、日本国の安全保障理事会常任理事国入りに対する力強い支持を表明し、日本側は同支持に対する謝意を表明した。
  10. 双方は、アジア情勢及び欧州情勢等の双方が関心を有する国際・地域情勢につき意見交換を行った。ポーランド側は、EU内における同国のイニシアチブである「東方パートナーシップ」を説明した。双方は、グルジア情勢に関しても意見交換を行い、グルジア問題が国際的に認められている領土保全原則に基づいて平和的に解決されるべきであることを確認した。北朝鮮に関し、日本側は、拉致、核、ミサイル問題を含む北朝鮮との重大な懸念事項の包括的な解決及び不幸な過去の清算を通じて、北朝鮮との関係正常化を求める立場を表明し、ポーランド側は、これに対する最大限の支持を表明した。日本側は、EUの対中武器禁輸措置解除に対する日本の立場を改めて表明した。ポーランド側は、輸出管理問題は世界及び地域の安全性の観点から注意深く考慮すべき問題であることを強調した。
  11. 双方は、大量破壊兵器(WMD)の不拡散分野で協力していく決意を確認した。双方は、大量破壊兵器の拡散による脅威に対する国際的な対応の強化を共に支持し、2003年5月にクラクフにおいて始まった拡散に対する安全保障構想(PSI)の枠組みで緊密な協力を継続していくことを決意した。
  12. 双方は、今後とも国際情勢、投資促進、観光、開発協力などの分野において、V4+1(ヴィシェグラード4カ国+日本)対話及び協力を継続、強化する意思を確認した。双方は、「V4+1」対話をポーランドがV4議長国を務める期間に開催することで一致した。
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