
UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を通じたパレスチナ難民に対する無償資金協力(食糧援助)に関する書簡の交換について
平成19年8月13日
- 我が国政府は、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を通じ、パレスチナ難民に対する「食糧援助」として5億円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月13日(月曜日)(現地時間同日)、ヨルダンの首都アンマン近郊において、ヨルダン訪問中の我が方麻生太郎外務大臣と先方フィリッポ・グランディUNRWA事務次長(Mr.
Filippo Grandi, Deputy Commissioner-General)との間で行われた。
- パレスチナ難民問題の解決の目途も立たない中、難民の生活は依然厳しく、2007年6月のハマスによるガザ地区掌握以降も同地区においては多くの難民が生活困窮という深刻な人道状況に置かれている。このような状況を緩和するとの観点から、UNRWAからの要請に応え、人道支援としての食糧援助を実施するものである。UNRWAは、本支援により購入する小麦粉及び豆類を、パレスチナ自治区、レバノン、シリア及びヨルダンに滞在するパレスチナ難民のうち重貧困者(特にガザ地区)を中心に約35万人の難民に対して配給する計画である。
- 今回の食糧援助により、パレスチナ難民の置かれた深刻な状況の緩和に繋がることが期待される。
(参考)
- 「パレスチナ難民」とは、1946年6月から1948年5月の間、パレスチナの地(イスラエル全域、ヨルダン川西岸、ガザ地区を含む)に在住していた者で、1948年の第一次中東戦争(アラブ・イスラエル間)によってその地を追われた者及びその子孫を指す。現在、パレスチナ難民人口は、約445万人。なお、パレスチナ難民の故郷への帰還又は補償を巡る問題は今なお解決の見通しが立っていない。
- UNRWAは、1948年の第一次中東戦争の結果、パレスチナ人約75万人が難民化したため、人道支援の実施によりこれらパレスチナ難民を飢餓と困窮から救済するために、1949年12月の国連総会決議により設立され、1950年5月より活動を開始している。
- UNRWAを通じたパレスチナ難民に対する食糧援助については、我が国は1967年の最初の実施後、1970年以降はほぼ毎年実施している。