(1)本計画の内容
ケニア政府保健省が、同国西部のニャンザ州キシイ県立病院の外来病棟、及びリフトバレー州ケリチョー県立病院の救急病棟を改修し、外科手術器具や、超音波産科診断装置などの関連医療機材を整備するための資金を供与する。
(2)本計画の必要性
・ケニアでは、妊産婦死亡率が1,000人/10万人、乳幼児死亡率が78人/1,000人と、医療状況は世界でも最も厳しい状況にある。特に、ニャンザ州及びリフトバレー州下の5県では、マラリア、結核、エイズなどの感染症が蔓延しており、ニャンザ州では乳児死亡率が133人/1,000人の高率を記録している。
・このため、ケニア政府は、「国家保健医療政策」(1999年から2010年)を策定し、我が国等の協力により地域診療所などの整備を行ってきたが、西部地域では、診療所では対応しきれない患者を上位病院に搬送する体制の構築が急務となっている。しかし、限られた保健分野の予算の中、こうした病院の整備を自助努力で行うのは困難なため、同国政府は上記の二つの県立病院の整備のための無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
・本計画の実施により、キシイ県病院では、帝王切開を含む年間約2,000件の手術等の安定的な実施、ケリチョー県病院では、年間約万人以上の救急、外来患者の受診が可能となり、住民の保健、衛生生活環境が向上する。
(参考)ケニア共和国はアフリカ東岸に位置し、日本の約1.5倍の面積(58.3万km2)を有し、人口は約3,430万人、一人当たりGNI(国民所得)は約530米ドルである。