報道発表

カンボジアに対する無償資金協力「ラタナキリ州小水力発電所建設・改修計画」,「カンボジア工科大学施設機材整備計画」及び「シハヌーク州病院整備計画」に関する交換公文の署名

平成25年3月21日
  1.  本21日(現地時間同日),カンボジア王国の首都プノンペンにおいて,我が方隈丸優次駐カンボジア大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(His Excellency Mr. HOR Namhong, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で,総額31億2,300万円を限度とする以下3案件の無償資金協力に関する交換公文の署名が行われました。
    (1) 「ラタナキリ州小水力発電所建設・改修計画」(供与限度額:12億600万円) (The Project for Construction and Rehabilitation of Small Hydropower Plants in Rattanakiri Province)
    (2) 「カンボジア工科大学施設機材整備計画」(供与限度額:5億9,600万円) (The Project for Improvement of Facility and Laboratory Equipment in the Institute of Technology of Cambodia)
    (3) 「シハヌーク州病院整備計画」(供与限度額:13億2,100万円) (The Project for Improvement of Sihanouk Province Referral Hospital)
  2.  「ラタナキリ州小水力発電所建設・改修計画」は,山間部であるカンボジア北東部のラタナキリ州において,小水力発電所(第一発電所)の建設と既設小水力発電所(第二発電所)の更新を行うための資金を供与するものです。
     この協力は,同地域における電力供給の信頼度向上に加え,エネルギー源の多様化,再生可能エネルギー利用の促進及び温室効果ガス排出量の削減に寄与するものであり,同国の経済・社会開発の向上に資することが期待されます。また,中小企業を含む我が国の技術・製品を積極的に活用することにより,優れた技術を有する我が国企業の国際展開を後押しすることも目指しています。
     なお,この協力は,我が国の2013年以降の気候変動対策に関する途上国支援の一環として実施するものです。我が国は,すべての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,カンボジア王国と引き続き気候変動分野で連携していきます。
  3.  「カンボジア工科大学施設機材整備計画」は,同国随一の工学系高等教育機関であるカンボジア工科大学に対し,実験・実習用設備及び機材の整備を行うための資金を供与するものです。
     現在,カンボジア政府は産業多様化,雇用増大,持続的な経済成長のために積極的に海外からの投資受入に取り組み,近年,日系企業の進出も急増していますが,同国進出日系企業にとり,同国における高等教育を受けた工学系人材の不足及び工学系人材の実践的スキルの不足が課題となっています。同国随一のカンボジア工科大学においても実験・実習機材の不足・老朽化が目立つほか,実験室不足による座学中心の教育が行われている現状にあります。この協力により,同大学の教育能力が強化され,同大学が優秀な工学系人材の供給源となることが期待されます。
  4.  「シハヌーク州病院整備計画」は,プレア・シハヌーク州における最高レベルの公的病院であるシハヌーク州病院に対し,基礎的な医療サービスを提供する上で必要な施設及び機材を整備するための資金を供与するものです。
     同病院は州都シハヌークビル市に位置する州最高レベルの病院であり,同市の投資環境が向上しつつある中,近年の人口増加もあり利用者数が急増していますが,施設・医療機材の老朽化が目立ってきており,医療サービス提供体制の拡充が期待されています。この協力により,貧困層を含む地域の住民が,同病院において首都の病院と同等の治療を受けられるようになり,同州及び周辺住民の健康に寄与することに加え,同市への企業進出を促し,地域の経済発展に寄与することが期待されます。

(参考)
 カンボジア王国は,面積約18万1,000平方キロメートル,人口1,431万人(2011年),人口一人あたりのGNI(国民総所得)は830ドル(2011年,世界銀行)


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