報道発表

ポスト2015年開発目標に関するハイレベルパネルへの菅前内閣総理大臣の参加

平成24年8月1日
  1. 7月31日(火曜日)(NY時間),潘基文国連事務総長が,ポスト2015年開発目標に関するハイレベルパネルについて発表を行い,我が国から菅直人前内閣総理大臣がパネルメンバーとして参加することが発表されました。
  2. 国際社会は現在,世界共通の開発目標としてミレニアム開発目標(MDGs)を掲げ,2015年までの目標達成にむけて取組を加速させています。一方,達成期限である2015年以降にどのような国際開発目標を掲げるのか(ポストMDGs)については,今後議論が本格化していくこととなります。本件パネルは,そのような議論の一環であり,来年前半に報告書を作成して事務総長に提言を行うことが期待されています。
  3. 菅前内閣総理大臣は,2010年のMDGs国連首脳会合に参加し,保健・教育分野におけるMDGs達成に向けた日本の新政策と合計85億ドルのコミットメント(菅コミットメント)を発表しました。また,2011年6月にMDGsフォローアップ会合を東京で開催し,MDGsの推進に各国の政治的意思を結集することに貢献してきました。また,再生可能エネルギーの推進を含め,環境分野や持続可能性に関する高い識見も有することから,ハイレベルパネルのメンバーとして国連事務総長により任命されました。
  4. 日本政府としては,本件パネルに菅前内閣総理大臣の参加が決定したことを歓迎するとともに,菅前総理大臣によるポストMDGs策定に向けた国際社会の議論への貢献を積極的に支援していきます。

(参考1)ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)
 1990年代に開催された主要な国際会議等で採択された国際開発目標や,2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択された「国連ミレニアム宣言」を統合し,開発分野における国際社会共通の目標として2001年にまとめられた。8つの目標(極度の貧困と飢餓の撲滅や,乳幼児死亡率の削減等)の下,21のターゲットと60の指標を設定。2015年が達成期限。

(参考2)本件パネルについて
 本件パネルメンバーは,国連加盟国政府,民間セクター,学識者,市民社会団体及び若者等から,地理的な及び男女のバランスに適切な配慮をして選ばれており,個人の資格でパネルに参加し議論を行うこととなる。

(参考3)2010年MDGs国連首脳会合で発表した我が国の貢献
(1)保健新政策
 [1]母子保健,[2]三大感染症,[3]国際的な公衆衛生緊急事態等への対応に焦点。2011年からの5年間で50億ドルの資金コミットメント付き。これは,世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)への当面最大8億ドルの拠出を含む。特に,1,130万人の乳幼児と43万人の妊産婦の命を救うため,産前から産後までの切れ目のない手当てを確保するための支援を強化。母子保健支援モデル”EMBRACE”(Ensure Mothers and Babies Regular Access to Care)は,妊産婦の定期健診や,機材と人材の整った病院での新生児の手当て,病院へのアクセス改善,ワクチン接種などを一つながりに行う。

(2)教育新政策
 [1]基礎教育支援,[2]ポスト基礎教育支援,[3]脆弱国への支援に焦点。2011年からの5年間で35億ドルの資金コミットメント付き。質の高い教育環境の提供を目指し,疎外された子どもや脆弱国等支援の届きにくいところへも対応。また,初等教育修了者の教育の機会継続にも配慮。基礎教育支援モデル「スクール・フォー・オール」は,学校・コミュニティ・行政が一体となって教師の質,学校運営,女子や障害児への取組,栄養・衛生面など,包括的な学習環境改善を行う。

(参考4)MDGsフォローアップ会合
 UNDP,UNICEF,世界銀行,JICAとの共催で,2011年6月2-3日に閣僚級の会議を東京で開催。110か国以上,20の地域・国際機関,国内・国際NGO,民間セクターなど計300名以上が参加。MDGs達成に向けて真に効果的な手法や,達成期限である2015年以後の国際目標のあり方についても議論した。議論の内容は議長声明として発出された。

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