報道発表

人間の安全保障基金を通じたドミニカ共和国での事業に対する支援

平成24年6月18日
  1. 6月14日(木曜日)(現地時間13日(水曜日)),国際連合から我が国に対し,人間の安全保障の推進を目的として,ドミニカ共和国で実施される事業(バテイ居住者への法的支援及び基本的ニーズを満たす支援)に対し,我が国が主導して設置された人間の安全保障基金を通じて,256万9600ドル(約2億814万円)の支援を行うことが決定された旨通報がありました。
  2. 東側がドミニカ共和国領,西側がハイチ領であるイスパニョーラ島には,20世紀にドミニカ共和国に設置されたサトウキビプランテーションの名残である「バテイ」というコミュニティがあります。バテイでは,歴史的に,ハイチ人労働者とその子孫,ドミニカ共和国人の脆弱層が,社会から隔離され,医療や教育,水衛生設備といった基本的なサービスへのアクセスが限られた環境で生活してきました。また,近年のドミニカ共和国における移民政策の変更等により,バテイ居住者の法的地位が更に不安定になっています。
  3. この事業は,国連高等難民弁務官事務所(UNHCR),国連開発計画(UNDP),及び国連児童基金(UNICEF)がバテイ居住者への法的支援及び基本的ニーズを満たす支援を実施するものです。主な内容は以下のとおりです。
    (1)法的支援やバテイ周辺地域からの差別の解消による身体の安全と政治的地位の保障
    (2)雇用創出によるによる生計手段の確保
    (3)インフラ整備と食料安全保障の確保
    (4)基本的な医療と保健教育へのアクセスの向上
    (5)防災教育の実施,安全な水や再生可能エネルギーへのアクセスの保障による環境面の安全の確保
  4. この事業への支援が実施されることにより,脆弱な地位に置かれたバテイ居住者の人間の安全保障の推進が期待されます。

(参考)人間の安全保障基金とは,人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約413億円(約3億7,007万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の210以上のプロジェクトを支援してきている。

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