
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じたパレスチナ難民に対する無償資金協力(食糧援助)に関する書簡の交換
平成23年8月17日
- 本17日(水曜日)(現地時間同日),ヨルダン・ハシェミット王国の首都アンマンにおいて,我が方小菅淳一駐ヨルダン大使と先方フィリッポ・グランディUNRWA事務局長(Mr. Filippo Grandi, Commissioner-General, United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)との間で,UNRWAを通じたパレスチナ難民に対する食糧援助として6億円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
- パレスチナ難民問題の解決の目途が立たない中,同難民の生活は依然として厳しく,特に2007年後半から続く食料価格の高騰やイスラエル政府によるパレスチナ自治区への物資の移動制限等が影響し,生活困窮のために食糧援助に頼らざるを得ない等,一層厳しい状況に陥っています。
- 今回の食糧援助により,パレスチナ自治区,レバノン,シリア及びヨルダンに滞留するパレスチナ難民のうち約30万人の重貧困者層に対して主食の小麦粉や豆類等を提供することが可能となり,パレスチナ難民の置かれた深刻な人道状況の緩和に繋がることが期待されます。
【参考】
1.パレスチナ難民とは,少なくとも1946年6月から1948年5月までパレスチナ地域(現在のイスラエル領域を含む)に在住していた者のうち,1948年の第一次中東戦争(アラブ・イスラエル間)の結果,家屋及び生計の手段を失って近隣国に逃れた約75万人の人々とその子孫を指します。なお,パレスチナ難民の帰還又は補償を巡る問題は,現在イスラエル・パレスチナ間の交渉で扱われることになっていますが,同難民発生後60年以上を経た今もなお解決の見通しは立っていません。
2.こうしたパレスチナ難民を救済するために1949年12月の国連総会決議によって設立されたUNRWAは,現在,その活動地域(ヨルダン川西岸地区,ガザ地区,ヨルダン,シリア,レバノン)に滞留する約500万人のパレスチナ難民に対して幅広い人道支援を実施しています。
3.UNRWAを通じたパレスチナ難民に対する食糧援助について,我が国は1967年に初めて実施し,1970年以降はほぼ毎年実施しています。