報道発表

パレスチナ自治区に対する環境・気候変動対策無償資金協力「ジェリコ市水環境改善・有効活用計画」に関する書簡の交換

平成23年2月28日
  1. 本28日(月曜日)(現地時間同日),ヨルダン川西岸のラマッラにおいて、我が方橋本尚文対パレスチナ暫定自治政府日本国政府代表事務所長と先方サラーム・ファイヤード首相(H.E.Dr. Salam FAYYAD, Prime Minister)との間で,26億5,000万円を限度とする環境・気候変動対策無償資金協力「ジェリコ市水環境改善・有効活用計画」(Jericho Wastewater Collection, Treatment System and Reuse Project)に関する書簡の交換が行われました。
  2. 本件は,地溝帯に位置するために汚水の滞留が深刻な環境問題となっているジェリコ・ヨルダン渓谷地域において,我が国の省エネルギー技術を活用した資源循環型の下水処理施設を建設し,併せてその処理水を同地域における灌漑等の水源として有効活用するものです。本計画の実施により,これまで汚水による土壌・地下水汚染に脅かされてきた住民の生活・衛生環境が改善されるだけでなく,処理水の再利用による新たな水資源の確保を通じて同地域の農業生産の向上にも寄与することが期待されます。また,こうしたパレスチナ側による環境及び地下水の保全に向けた取組は,同一地下水脈を共有する隣国イスラエルにも裨益するため,本計画は両者間の信頼醸成にも資するものです。
  3. 我が国は,平成22年度補正予算により,我が国の優れた環境・エネルギー技術の海外展開支援として,こうした技術を開発途上国に普及・促進しています。本件は,このような環境技術の普及・促進の取組の一環であるとともに,イスラエルとの共存共栄に向けて自らの国家建設と経済的自立に取り組んでいるパレスチナ自治政府の努力を我が国として全面的に支援するものです。
  4. また,本案件は2009年12月に発表した気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環です。我が国としては,すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意に向けた国際交渉の進展を目指して,パレスチナ自治政府と引き続き気候変動分野で連携していきます。
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