
国際熱帯木材機関(ITTO)を通じたプロジェクト等支援
平成22年8月30日

- 本30日(月曜日),2010年春のITTOプロジェクトサイクル(例年春と秋の2回にわたり、既に承認されたプロジェクト及び事務局の政策活動に対するプレッジを行うこととなっている)において,外務省は,以下のITTOプロジェクト及び活動に対して合計502,516米ドルの支援を行うことを表明しました。
(1)プロジェクト「ガーナにおけるコミュニティ森林と貧困削減を重視した、持続可能な森林経営(SFM)の枠組みにおけるクリーン開発メカニズム(CDM)を活用した林業のための能力強化」(402,516米ドル)
(2)活動「越境保全地域のSFM実現への影響-越境熱帯森林地域における生物多様性保全に関する国際会議」(100,000米ドル,スイスも同額を拠出)
- 「ガーナにおけるコミュニティ森林と貧困削減を重視した、SFMの枠組みにおけるCDMを活用した林業のための能力強化」の概要及び支援の経緯は以下のとおりです。
(1)概要
ガーナ森林研究所が現地企業及び米国の大学と連携し,同国西部でコミュニティにより管理されている450ヘクタールのアグロフォレストリー林において,CDMプロジェクト形成のための樹種別の炭素蓄積量等の調査を行う他,劣化地域100ヘクタールの植林,CDMに関する人材育成,コミュニティ参加型のCDMを活用した林業の手法発展等により,同国におけるCDMを活用した林業の能力強化を図ります。
(2)経緯
我が国は,2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)において環境・気候変動分野での支援を表明しており,本件協力は右支援表明を具体化するものであり,また,昨年12月に発表した,気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環として実施することとした案件です。我が国としては,すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して,コペンハーゲン合意への賛同を表明しているガーナと引き続き気候変動分野で連携していきます。
- 「越境保全地域のSFM実現への影響-越境熱帯森林地域における生物多様性保全に関する国際会議」の概要及び支援の経緯は以下のとおりです。
(1)概要
同会議は7月21-24日にエクアドルの首都キトにおいて,開催されました(ITTO,生物多様性条約(CBD)事務局,国際自然保護連合(IUCN)が共催,エクアドル政府支援)。会議の目的は,越境保全地域(TBCA)における生物多様性の保全と管理,資金調達についての進捗と今後の気候変動の緩和策と適応策における課題に対応する能力などに関し経験を共有し,TBCAプロジェクトの改善のための提言を策定することで,同会議の成果は生物多様性条約第10回締約国会議(CBD・COP10)参加者に提示されます。
(2)経緯
本年は国際生物多様性年であり,10月に愛知県名古屋市で開催されるCBD・COP10の議長国となる我が国として,本件国際会議の開催を支援するものです。
(参考)
(1)ITTOは,「1983年の国際熱帯木材協定」に基づき1986年に設立された(本部:横浜)。現在の加盟国は生産国33か国,消費国27か国の計60か国及び欧州共同体で,全世界の熱帯林の約80%,熱帯木材貿易総量の約90%以上をカバーしている。
(2)今回のプロジェクトサイクルにおいては,林野庁からもITTOプロジェクト「中国の農村の能力強化及び地域の発展を通したマングローブ林の持続可能な経営の達成」に対して277,333米ドルの支援を行う。