
人間の安全保障基金を通じたコロンビアへの支援
平成22年5月10日
- 本10日(月曜日),我が国政府及び国連は,国連人道問題調整部(UNOCHA),国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国連婦人開発基金(UNIFEM),国連児童基金(UNICEF),汎米保健機構(PAHO/WHO),国連食糧農業機関(FAO),国連薬物犯罪事務所(UNODC)及び世界食糧計画(WFP)がコロンビア共和国で実施する「コロンビア・ソアチャにおける脆弱なグループの人間の安全保障状況改善」プロジェクトに対し,人間の安全保障基金を通じて254万7,654.01ドル(約2億3,948万円)の支援を行うことを決定しました。
- コロンビアでは,50年にわたる武力紛争や麻薬カルテル等の影響により,国内避難民が多数存在します。特にソアチャは,同国で最も多くの国内避難民が居住している地域の一つであり,絶対的貧困,失業,社会的・性的暴力,基礎的公共サービスの不足等の問題に直面しています。本プロジェクトは,人間の安全保障状況の改善のため地域レベルでのガバナンス強化とコミュニティの能力強化,質の高い社会サービスへのアクセスの向上を目指します。主な活動は以下のとおりです。
(1)国内避難民,女性及び若者の権利,ジェンダーに関する政策策定,地域参加型の管理メカニズムを構築します。
(2)国内避難民及びホスト・コミュニティの保健サービスへのアクセス,教育,技術支援に関する戦略を策定するとともに,その戦略を実施するために,地方政府機関職員,保健サービス提供者及びコミュニティを対象とした訓練を行います。
(3)栄養状態の安定と食料安全保障のために,家庭菜園設置に必要な技術支援及び物資供与を行うとともに地域計画の策定・実施を行います。
(4)国内避難民の子ども達及び思春期層に教育の機会を与えるために,教室の建設,学校菜園の設置,必要な機材の提供,及び教育者の支援・能力強化を行います。
(5)若者の権利,紛争,暴力・薬物使用・人身取引の予防のための意識向上及び若者グループの能力強化を行います。
- 本プロジェクトの実施により,国内避難民や極度の貧困に苦しんでいる人々等脆弱な人々の保護と能力強化が行われ,人間の安全保障の改善が期待されます。
(参考)
人間の安全保障基金は,1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり,現在までに総額約390億円(約3億4,658万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の約200件のプロジェクトを支援してきている。