
イエメン共和国に対する海上保安能力向上支援のための協力準備調査団の派遣
平成22年4月9日
- 我が国は、4月12日(月曜日)から、イエメン共和国に対して海上保安能力向上を目的とした巡視船艇整備計画について、政府関係者及び独立行政法人国際協力機構(JICA)等で構成する調査団を派遣します。今次調査では、無償資金協力を念頭に、我が国の協力対象となる船舶の基本的な設計と概算事業費の算定に必要な基礎資料の収集やイエメン政府関係者等との協議を行う予定です。
- 海洋国家・貿易国家である我が国にとって、海上航行の安全確保は極めて重要な課題です。ソマリア沖・アデン湾における海賊事案は引き続き大幅に増加しており、我が国だけでなく国際社会にとって引き続き大きな脅威となっています。我が国は、同海域に護衛艦及び哨戒機を派遣し、他国と連携しつつ海賊対処を行っていますが、ソマリア沖海賊問題の根本的な解決のためには、不安定なソマリア情勢の安定とイエメンをはじめとする周辺国の海上保安能力の向上を図ることが重要です。
- イエメンはソマリア沖・アデン湾海域の周辺沿岸国において一定程度の海上保安体制・能力を有している数少ない国であり、日本は、これまでも同国に対し、海上保安関係者を日本へ招聘しての研修の実施等、海上保安能力向上のための支援を行っています。
(参考) イエメンはアラビア半島の南端に位置し、アデン湾を挟んでソマリアと接している中東地域で最も開発が遅れた国のひとつであり(一人当たりGNI(国民総所得):950ドル(08年)、アフリカの約半数の国よりも低い値)で、面積は55.5万平方キロメートル(日本の約1.5倍弱)、人口2,310万人(08年)の国です。